弱みを強みに変える事例「葬儀社が選んだ”一日一組限定”戦略で差別化に成功」

神原キサコの制作カフェ

こんにちは!つなぐホームページのwebデザイナー神原キサコです。
「企業理念が伝わる」ホームページを制作をしています。

神原キサコの制作カフェでは、ホームページの活用方法の具体的な方法や成功事例を紹介しています。
たくさんの方に読んでいただけるよう、分かりやすい表現を心がけています。
ぜひコーヒー片手にリラックスして読んでみて下さいね!

いつもつなぐホームページをご利用いただき、誠にありがとうございます。
つなぐホームページのWEBデザイナー、神原キサコです。

今週もよろしくお願いします!

ある小さなお葬式屋さんでの出来事

「弱点を強みに変える」と聞くと、抽象的で難しいと感じられるかもしれません。
そこで、先日私が伺った、山形県で家族葬を中心に営む小さなお葬式屋さんでのエピソードをご紹介しますね。

いつもの挨拶、そして葬儀社の現状

「失礼します、つなぐホームページの神原です」

私は少し声のトーンを落として事務所にご挨拶しました。今日訪れているのは、山形県にある家族葬中心の小さなお葬式屋さんです。

今でこそ、小さな家族葬は広く支持されていますがお客様は老舗で、昔から故人や残されたご家族の負担を減らすべく小さなお葬式を提供されてきました。お葬式は悲しい出来事ですが、なくてはならないもの。それを残された家族がどのように向き合うべきなのかを考え、残された家族に寄り添ったお葬式を提供されている事業者様には、本当に感服いたします。

「あぁ、キサコさん、いつもありがとう。」

70代後半にもなる社長様が、落ち着いた声で挨拶をくださいました。背筋はピシッとしていて、職業柄スーツに皺ひとつなく、とってもスマートで品のある社長様です。

「本日はどうぞよろしくお願いいたします」と私。
社長様からも「どうぞよろしくお願いします」と、軽く挨拶をいただきました。

ホームページの健康診断、そして見えてきた課題

さっそく私は、当社が開発しているホームページの健康診断表をもとに、ホームページのアクセス数やPV数、問合せ件数や、ホームページを見て電話をかけた方の本数を社長様にご報告いたしました

「社長様、前年対比で比較してもホームページのアクセス数や問い合わせ数は同水準で推移しています。結果としては悪くないのですが、ここからもう一つ、何か伸びていくような、ホームページのアクセスを増やすような取り組みが必要かなというふうに思っております」

社長様は少し考えるような素振りで「そうなんだよね。今、家族葬業界も大手チェーン店が登場して、テレビCMもたくさんやっているでしょ。だから、競争環境が変わってきたんだよね。問い合わせ数はいただいているものの、いつまでこの数字を保てるかわからないな…」と、お悩みの様子です。

地元密着の強みと、時代の変化への不安

「社長様、長年地元で営業されてきたので、お寺様からのご紹介が多かったのではないでしょうか。お寺のご紹介を受けてホームページを閲覧していただいて電話やメールで問い合わせをする。テレビコマーシャルに頼らず、地域に根ざした営業活動をされていたと認識しておりました」と私。

「そうなんです。ただ、この時代でしょう。地元の人間もどんどん減っていくし、また介護などで引っ越してしまう人もいる。それに、山形県は雪が降るから、雪が降らないところに移住をしてゆっくり余生を過ごそうと言う人もいるから将来、大丈夫かなと思ってるんだよね。そこに来て大手のチェーン店でしょ。これから大変になるんじゃないかなと思ってるんです」社長は悩みの原因をひとつ一つ考えながら教えて下しました。

「なるほど、確かにそういう不安はつきませんね」

弱点を強みに変える提案「小さくても、深く寄り添う」

葬儀社の社長様が眉をひそめながら話し始めました。
「うちの”売り”は小さな家族葬で、昔からやってたんだけれども、当然大手も同じようなコンセプトを持っているし、大手だからこそ駐車場を広く作ったり、手厚いサービスを行ったりして差別化を図ってきています。うちは弱みばっかりで、なかなか難しいなぁ…」

私は前のめりになって熱心に返答しました。
「そんなことありません!弱みを強みに変えることは十分に可能です。例えば、以前お手伝いした老舗の和菓子屋さんでは”古臭い”というイメージを逆手に取り”伝統を守るこだわりの製法”として打ち出したところ、ホームページからの注文が増えました。また、小さな工務店さんでは”大手と比べて知名度が低い”という弱みを”地域密着型のきめ細やかなサービス”という強みとしてアピールし、新規顧客の獲得に成功しています。社長様のところにも必ず強みがあるはずです」

社長が気づく、自社の本当の強み

「なるほど…、古臭いを伝統に、知名度が低いことを地域密着にねぇ…」社長は、過去の事例を自社に置き換え、少し考えるように呟きました。「そう言えば、うちは小さなお葬式をずっとやってきたけれど、具体的に何が強みなのか、ちゃんと考えたことはなかったな…。」

「社長、よろしければ、一緒に強み分析をやってみませんか?」私は、社長の気づきを後押しするように提案しました。

「強み分析とはなんだい?」社長は目をキョトンとさせて聞き返してきました。

「はい、当社で取り入れている『グッドポイント40』という強み分析の手法があります。これは、自社の強みやお客様から褒められたことをA4用紙に40個以上書き出すというものです。このワークを通じて、自社の本当の価値や、お客様から真に評価されている部分が炙り出されてくるんです。

「40個も?そんなにあるかな…」

「最初は大変かもしれませんが、20個くらいまでは意外とスムーズに出てくるんです。ポイントは、残り20個を埋める時。 “40個埋めなければならない”という制約があるからこそ、頭を使い、絞り出す。そこに非常に高い価値があるんです。今日はワークシートを持ってきていませんが、ホワイトボードでもできます。私が書記をやりますので、社長様、何でもいいので御社の強みを挙げてください。」

「うーん、40個も言えるかなぁ…」と言いながらも、社長はホワイトボードに向き直りました。「えーと、まずはお寺との繋がりがあること。それから、営業歴は50年以上になるな。あとは、小さなお葬式で、残されたご家族に負担がないサービスを提供していること。あ、従業員全員が有資格者であることも強みだな。」

社長が強みを挙げるたびに、私はホワイトボードに書き留めていきます。最初はゆっくりでしたが、次第に社長の口調は熱を帯び、強みが次々と出てくるようになりました。

強み分析で見えてきた、真の差別化ポイント

約一時間後ホワイトボードには40個の強みがびっしりと書き出されていました。

「社長、40個出揃いましたね!ありがとうございます。こうして並べてみていかがでしょうか?」社長に振り返り、感想を伺います。

社長はホワイトボードを満足そうに眺めながら答えました。
「いやぁ、初めて自分の会社の強みをこんなに真剣に考えたよ。こんなにたくさんあるんだね…。確かに大手チェーン店にはできないこともこの中にはたくさんあるな…。例えば…そうだな、当社は小規模でやっているのでお葬式は当日貸切でご提供しています。何かあわただしいことやご家族様にご負担をかけるようなことはありません。少人数で小規模だからこそ一日一組のお葬式で充分。経営上もそれで成り立っています」

「なるほど!それこそが社長のところの最大の強みではないでしょうか?一日一組限定だからこそゆっくりと心置きなくお別れができる。つまりご家族との最後の別れを何よりも大切にしているということですよね。この強みをホームページやチラシできちんと打ち出してみてはいかがでしょう?そしてお寺様にもこの手厚いお別れの時間を改めてご説明し、連携をさらに深めていくことも有効だと思います」

社長は目を輝かせながら言いました。
「なるほど、それはいい考えだね!一日一組限定というのは当社が小規模だからこそ実現できること。大手チェーン店では絶対に真似できないからね。…それにこの強みは今回40個の強みを洗い出したからこそ見えてきたことかもしれないな。弔いを手厚くするというのはつまりはお別れにかけられる時間。そしてその時間をつくるために一日一組に限定している。有資格者がいるのもお寺との長い付き合いもすべてはご家族のお別れの時間を大切にするため…。全部繋がってるんだな

「はい、社長!その想いをぜひホームページで発信していきましょう!地域で心温まるお別れの時間を求めている方々に、きっと社長の想いは届くはずです」と私は笑顔で応えました。

競争環境の変化と、弱みの中に光る強み

今回の小さなお葬式屋さんでのエピソードは、私自身にとっても多くの学びがありました。特に印象的だったのは、「強みとは、あくまでも競争環境の中で成立するもの」という、当たり前だけれど見落としがちな視点です。

社長様との面談を通して、競争環境が変われば、強みも弱みも変わってくる、ということを改めて実感しました。大手チェーン店の台頭という変化の中で、今まで強みだと感じていた「小さな家族葬」が、弱みにも感じられてしまう。不安になる社長様の気持ちは、痛いほどよく分かります。

しかし、一緒に「グッドポイント40」で強み分析を行う中で、社長様は自社の本当の強み、つまり「ご家族に深く寄り添う、小さくても心に残るお葬式」、そして「一日一組限定だからこそ実現できる、お別れの時間の質」に気づかれました。これは、まさに競争環境が変わったからこそ、改めて見つめ直すことができた強みと言えるでしょう。

社長様が自社の強みに真摯に向き合い、競合との比較の中で、何が自社の独自価値なのかを考える。その貴重な瞬間に立ち会い、私自身もWebデザイナーとしてお客様のビジネスに伴走することの意味を再認識しました。

そして、今回の支援で強く感じたのは、お客様や第三者から見れば、自分が弱みだと思っていることも、強みになり得るということです。私たち自身は、自分のビジネスに近すぎて当たり前になってしまっていることが、実は大きな魅力であることも多いのです。だからこそ客観的な視点を持つ第三者と、一緒に強みを探していくことには大きな価値があります。

これからも私は、つなぐホームページのWebデザイナーとして、お客様の「弱み」の中に光る「強み」を見出し、それをホームページで最大限に発揮するためのお手伝いを続けていきたいと思います。

私たちと一緒に、お客様の「弱点」を「強み」として、一歩ずつ前に進んでいきませんか。

当メールマガジンでは、今後もホームページ活用方法について、具体的な打ち手や成功事例を提供して参ります。
あなたのホームページのアクセス数、問い合わせ数を増やすための参考にしてくださいね。

それでは、今週も一緒に頑張りましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ライター紹介
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神原キサコ

ハンズバリュー株式会社のメインデザイナーです。ホームページデザイン業務を中心に活動しています。
新しい情報を調べて皆さんにたくさんお伝えできればと思っています。

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