
こんにちは!つなぐホームページのwebデザイナー神原キサコです。
「企業理念が伝わる」ホームページを制作をしています。
神原キサコの制作カフェでは、ホームページの活用方法の具体的な方法や成功事例を紹介しています。
たくさんの方に読んでいただけるよう、分かりやすい表現を心がけています。
ぜひコーヒー片手にリラックスして読んでみて下さいね!
いつもつなぐホームページをご利用いただき、誠にありがとうございます。
つなぐホームページのWEBデザイナー、神原キサコです。
今週もよろしくお願いします!
弱みは無視してOK?!強みを伸ばして、競争を勝ち抜く方法
最近、経営やマーケティングについての相談が増えています。
この背景には、コロナが収束し、普段の生活が戻ってきていることがあるかもしれません。
「変化」は、我々中小企業にとって新商品や新サービスの開発の絶好のチャンスです。この商機をしっかりと活用しましょう!
ここで一つ、重要なアドバイスを。
新商品や新サービス開発は、過去の失敗や弱点を起点に考えるのではなく、自社の商品・サービスをしっかりと振り返ることから始めましょう。
マイナスポイントの克服ではなく、プラスポイントを伸ばすことが大事。
このように、過去の成功やお客様の声を大切にする姿勢が、”跳ねる”アイデアを生むきっかけとなります。
弱みに焦点をあてていると絶対に見落としてしまいます。
ある養豚場経営者との会話
午後の日差しが差し込む事務所で、社長が穏やかな笑顔で迎えてくれた。「神原さん、こんにちは」
白壁の事務所は、養豚場本体からは離れた場所にあります。
豚の感染症予防のため、徹底した衛生管理が欠かせません。窓の外には、まだ残る雪を抱えた山々が連なっている。
「社長様、本日はどうぞよろしくお願いします」
この養豚場とは以前からの付き合いです。初めてのホームページ制作から継続的なサポートまで、信頼関係を築かせていただきました。
今回ホームページのリニューアルの依頼も、そんな積み重ねの結果です。社長様、ありがとうございましす🥰
応接テーブルに資料を広げながら、今日の目的を切り出した。「社長様、本日は強み分析をしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」
その言葉に社長の表情が僅かに曇りました。「わかりました」声のトーンが下がり、視線も泳ぎ始めました。
事前に打診はしていたものの、この反応は予想外です。
「社長様、いかが致しましたか?」
社長は窓の外を見つめたまま、小さな声で答えた。「なぜって…僕らみたいな小規模の養豚場は、それほど強みはないし、弱点ばかりだと思うからさ…」
その言葉にはどこか諦めのような響きが混じっていました😥
強み分析で深掘りする
「社長様、分かりました」私はカバンからiPadを取り出しながら、穏やかに話を切り出します。
「強み分析の前に、少し強みと弱みの原理原則について、意見を交換させていただけますか」画面を立ち上げながら、社長に向き直ります。
「社長様は、まず『弱み』について、どのように認識されていますか?」社長は少し考え込むように、机の上のペンを転がしています。
「うーん、当社の弱みですか?」窓の外を見つめながら、ゆっくりと言葉を紡いでいきます。
「小さいし、生産量も多くないでしょう。あとは、高コスト体質なんです。大規模経営なら一頭当たりの生産コストを抑えられるのですが、私たちのような小規模だと、スケールメリットを出せない。自分たちのブランドの豚を作っているわけでもないし、特徴を出しきれていないと思うんです…」私は社長の言葉に耳を傾けながら、画面にメモを取っていきます。
「なるほど、承りました。弱みを考えていただいたら、結構出てきますね」iPadを置いて、真っ直ぐに社長を見つめます。
「でも、弱みというのは、あくまで考え方次第なんです。弱みを改善することは大切ですが、できないことを改善するだけでは、この厳しい経営環境で勝ち残っていくのは難しいと考えています」私は画面に表示された図を指さします。
「当社のホームページリニューアルの方針は『強みをより強く』『弱点を無視できるぐらい、強みに特化する』。これを重視しています」春の陽が差し込む応接室で、言葉を選びながら続けます。
「弱点を補っていくと、結局は無風の状態、ゼロ点の会社にしかならないんです。むしろ、弱点があっても強みがしっかりとお客様に伝われば『高いけれどおいしい』『不便だけど使いたくなる』。そういう選ばれ方ができると考えています」
社長の表情が、少しずつ明るくなっていきます。「なるほど…。そういう風に、強みや弱みを捉えたことはありませんでした。弱みは改善しなければならないし、強みも同じように続けていかなければならない。そんな風にしか考えていませんでした」
言葉に力が込められていきます。「確かに、そう考えればチャンスはあるかもしれませんね…!具体的にはどうすればよいのでしょう?」
私は社長の前向きな反応に、さらに話を進めます。「当社では『グッドポイント40』という強み分析の手法も持っていますが、今回必要なのは強みの深掘り。『なぜなぜ分析』が合っているかもしれません」
「なぜなぜ分析、ですか?」社長は身を乗り出すように尋ねてきます。「どういう風にするんでしょう?」
「社長様が思っている『強み』を深掘りして行くんです。その根本は、どこから来ているのか?それを探して行くと、真なる強みが見付けられます。それを軸に戦っていくための、武器作りをしていけばいいんです。」と私は纏めました。ここから実践です!
なぜなぜ分析の妙
「なるほど…」社長は窓の外に広がる景色を遠く眺めながら、ゆっくりと言葉を紡ぎ始めます。
「例えば、うちの強みは、安心・安全な、高品質な豚肉を作っていること。これを『なぜ』と言われると…」言葉を探すように間を置いて、また続けます。「小規模かつ家族経営で養豚場を経営しているから。豚一頭一頭に愛情を込めて飼育している。目の届く範囲だからこそ、できることなんです」
「素晴らしいですね。では、なぜ小規模経営なのでしょうか?」その問いに、社長の目が懐かしい記憶を探るように遠くを見つめます。
「なぜ、小規模…。そういえば、おじいちゃんの代からずっと養豚場をやっているんですが、拡大路線はとったことがないんです」少し声を落として続けます。
「確か親父は言っていました。『規模を大きくして売上を作ることはできるかもしれない。けれども、目が行き届かなくなったら、豚への愛情を込めた生産ができなくなる。食べるために生まれてきた豚たちが、少しでも幸せな時間を過ごせるように、目の届く範囲でやっていくんだ』って」
「では、なぜ豚の幸せを考えるのでしょうか?」
「なぜ、豚の幸せ…?」社長は言葉を噛みしめるように、ゆっくりと答えます。
「もちろん、ストレスなく育ってもらって、美味しい豚肉になって欲しいというのもあるんです。でも、幸せを感じる時って、お客様の幸せ、地域の幸せ、そして私たちの幸せ、そして…豚たちの幸せも考えているから…なのかもしれません」言葉が途切れがちになります。
「でもな、豚の幸せだけ考えても、売上には繋がらないし経営は苦しいだけだし…」机に置かれた資料を無意識にめくりながら、社長は自問するように呟きます。「なんで、豚の幸せまで考えているんだろう…。それが、自分の強みに、どうつながっているんだろう…」
「社長様」私は静かに声をかけます。「豚の幸せもそうですが、そこで『何のために?』という視点を持ってくると、いかがでしょう?」
「何のために…ですか?」
「はい。養豚場を経営することは、地域に少なからず負担をかけてしまうこともあります。臭いの問題や、大型トラックの往来…。ですから、できるだけ地域のために、美味しい豚肉を生産する。そして、地域社会と調和した豚の生産を考える必要があるのではないでしょうか?」
社長の目が急に輝きを帯びます。「なるほど、なるほど…。だから、だからこそ!」
声が力強くなっていきます。「当社の養豚場では、SDGsの取り組みとして養豚場の廃棄物処理を徹底的にやっているんです。おそらく、小規模の養豚場でいえば、日本で一番の設備と技術を誇っていると自負しています」
そして、大きな発見に至ったように続けます。「そう考えるとですよ?豚の幸せ、そして地域の幸せ…。それらを総合的に考えると『みんなの幸せを作るために』私たちは豚を育てている、というふうにも見えますよね?」
「そうです!だんだん分かってきたようですね!」
社長の声は、さらに確信に満ちていきます。「もしかして、僕らの強みって『みんなの幸せづくり』が強みなのかもしれない…!そう考えると、僕らでやっていることは、豚の幸せもそうだし、養豚場の廃棄物処理もそうだし…」
言葉が次々と溢れ出します。「廃棄物処理なんかは、日本で一番レベルの処理施設を持ってて、食品残渣も受け入れている。そして、当社の廃棄物も食品残渣も地域の方の負担がないように匂いも全くしません!素晴らしい処理をしているのでお客様からも高い評価を受けています。…そうか!僕らの強みって、ここにあるのかもしれませんね!」
その瞬間、応接室に差し込む午後の光が一段と明るく感じられます。
社長の表情には、長いトンネルを抜けて、眩しい太陽の光を浴びたような晴れやかさが広がっていました。
「今まで豚を愛情込めて育てることも、廃棄物処理を徹底することも当たり前のことだと思っていた。でも、それが『みんなの幸せづくり』につながっていて、それが我々の強み…。そう言われてみれば、これって他にはない、私たちだけの価値なのかもしれない。弱みだと思っていたことが実は強みの源泉だった。そして、その強みはみんなの幸せを作るという大きな目標につながっていたんだ…。これを、もっとお客様に伝えていかなきゃいけないんだな」
私は思わず身を乗り出します。
「その想いを、ホームページで表現できるんです。社長様の日々の当たり前の一つ一つが、かけがえのない物語なんですよ」
社長の目を見つめながら、私の心に浮かぶイメージを言葉にしていきます。
「豚たちの様子や、清潔な飼育環境。丁寧な廃棄物処理や地域の方々との触れ合い。そういった日常の一コマ一コマに『みんなの幸せづくり』という御社の想いが詰まっています。写真と言葉で紡いでいけば、きっと伝わるはず。その想いに触れた人は、必ず御社のファンになってくれると思うんです。一緒に作っていきましょう、そんなホームページを!💕」
弱みに目を向けるのではなく、強みの「源泉」を見つけるー「当たり前」の中に、光る価値がある
この養豚場の社長様との出会いは、私にとって、そして、つなぐホームページ(私、神原キサコも)にとっても、大きな学びとなりました。
多くの中小企業は、「ないものづくし」で経営をしています。技術も、人も、お金も、潤沢にあるわけではありません。
そのような中で、弱点の克服ばかりに目を向けていると、物理的に無理が生じ、疲弊してしまうこともあるでしょう。もちろん、改善活動を否定するわけではありません。しかし、お客様に選ばれるためには、それだけでは不十分なのです。
今回のお客様においては、養豚場の「強み」をしっかりと分析し、その「源泉」を見つめ直すことができました。「なぜなぜ分析」を通して見えてきたのは、社長様が「当たり前」だと思っていた、日々の業務の中にこそ、真の強みが隠れていた、ということです。
「小規模だからこそ、豚一頭一頭に愛情を注ぐことができる」
「徹底した廃棄物処理は、地域への貢献につながっている」
「そして、それらすべては、『みんなの幸せづくり』という大きな目標につながっている」
大手では絶対に到達し得ない、「豚の幸せ」と「地域との連携」。
これらこそが、この養豚場の、他にはない価値であり、「強み」だったのです。そして何より、社長様ご自身が、その強みに腹落ちできたことが、私にとって、この仕事をしていて本当によかったな、と思える瞬間でした。
他人から言われる「強み」も、気づきはあります。
しかし、最後は自分自身で納得できなければ、それを「強み」として、自信を持って発信していくことは難しいでしょう。今回、ホームページのリニューアルをきっかけに、社長様にそのような気づきを提供できたことを、本当に嬉しく思っています。
「当たり前」だと思っていたことが、実は、他にはない価値だった。
「弱み」だと思っていたことが、実は、「強み」の源泉だった。
この気づきは、きっと、多くの中小企業経営者の方々にとって、共感できるものではないでしょうか。
つなぐホームページは、これからも、中小企業の皆様と共に、「当たり前」の中に光る「強み」を見つけ、それをホームページで最大限に発信していくお手伝いを続けてまいります。
あなたの会社の「当たり前」は、本当に「当たり前」ですか?
その中に、まだ気づかれていない「強み」が、眠っていませんか?
ぜひ一度、一緒に考えてみませんか?ご参考くださいませ(^_^)
当メールマガジンでは、今後もホームページ活用方法について、具体的な打ち手や成功事例を提供して参ります。
あなたのホームページのアクセス数、問い合わせ数を増やすための参考にしてくださいね。
それでは、今週も一緒に頑張りましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。