見られているのにクリックされない——データで見つけた”もったいないページ”の直し方

お知らせ

「SEO対策をしているのに、なかなか成果が見えない」

中小企業のWeb担当者や経営者の方から、この相談を受けることが本当に多いです。ブログ記事を書き、キーワードを意識し、内部リンクを整えた。でも、アクセス数は横ばい。問い合わせも増えない。「そもそもSEOって効果あるの?」と疑い始める——。

僕はITコーディネータとして、中小企業のホームページ活用を支援しています。そして僕自身も、ハンズバリュー株式会社の自社サイトを4つ運営しています。

今回、この4サイトに対して2ヶ月間のSEO施策を行い、GA4(Googleアナリティクス4)とSearch Console(サーチコンソール)のデータを突き合わせて定点分析しました。その結果、見えてきたのは「施策が間違っていた」ではなく、「見るべきデータを見ていなかった」という事実でした。

この記事でわかること

  • クリックされないページをSearch Consoleで見つける方法
  • 表示回数が多いのに成果につながらない原因
  • 施策前後の数字を比べ、改善を判断する考え方

この記事では、自社サイトの生の数字を公開しながら、「どこを見れば、何がわかるのか」を具体的にお伝えします。読み終わったあと、御社のサイトでも同じチェックを試してみてください。

なぜ自社サイトの数字を公開するのか

先に、前提をお話しさせてください。

SEOの記事を読むと、「弊社のクライアント様の事例では〜」という書き方をよく見かけます。でも、具体的な数字は伏せられていて、読者は「で、実際どのくらいなの?」がわかりません。

今回は自社サイトなので、数字をそのまま出せます。セッション数もクリック数も表示回数も、全て実数です。大企業のような月間100万PVの話ではありません。週に数十〜数百セッションという、中小企業のリアルなスケールです。だからこそ、同じ規模の会社にとって参考になるはずです。

分析対象の4サイト

サイト 目的 週間セッション
handsvalue.co.jp 経営コンサルの信用確認 約200〜300
tsunagu-hp.jp Web制作サービスの集客 約50〜80
smallma.jp 温泉旅館M&Aの専門サイト 立ち上げ直後
itcm.site IT支援の問い合わせ獲得 立ち上げ直後

いずれも「月間数万PV」のような大規模サイトではありません。中小企業が自社で運営しているホームページとして、ごく普通の規模です。

分析に使ったデータ

  • GA4: セッション数、ユーザー数、PV数、流入経路(検索・直接・SNS等)、滞在時間
  • Search Console: 検索クエリ(どんなキーワードで表示されたか)、表示回数、クリック数、CTR(クリック率)、掲載順位

この2つを組み合わせると、「検索でどれだけ表示されて、何回クリックされて、サイトに来た人がどう動いたか」が一本の線でつながります。どちらか片方だけでは見えない景色が、突き合わせることで見えてきます。

見つけた"もったいないポイント"は3つ

2ヶ月間の施策と結果を突き合わせたところ、3つの典型的な"もったいない"パターンが見つかりました。どれも、データを見れば気づけるのに、見ていなかったから放置されていたものです。

もったいない①:低品質ページが、サイト全体の足を引っ張っていた

症状

handsvalue.co.jp(経営コンサルのサイト)で、記事を増やしているのに検索からのクリック数が伸び悩んでいました。週に40〜50クリックで頭打ち。記事を増やせば増えるはずなのに、なぜ?

原因

Search Consoleで確認すると、サイト全体のCTR(クリック率)が2.25%でした。検索結果に100回表示されても、クリックされるのは2回だけ。

原因を調べると、過去に作った質の低い記事やお知らせページが大量に検索結果に出ていたことがわかりました。「2023年の年末年始のお知らせ」「リンク切れになった古い記事」——こうしたページがGoogleのインデックスに残っていて、サイト全体の評価を薄めていたのです。

たとえるなら、棚に並んだ100冊の本のうち、70冊が表紙も中身もボロボロの古い本。お客様は棚を見て「この本屋、大したことないな」と判断してしまう。そんな状態です。

打ち手

365ページにnoindexタグを設定しました。noindexとは、「このページは検索結果に出さないでください」とGoogleに伝えるタグです。ページ自体は残したまま、検索結果だけから除外します。

同時に、アクセスを集めている主力記事4本をリライト(書き直し)しました。

結果

施策前と比較して、CTRが2.25%から3.84%に改善しました。8週間の推移を見ると、クリック数も右肩上がりです。

時期 週間クリック数 CTR
施策前(4月) 38 2.63%
施策直後(5月初旬) 44 2.25%
1ヶ月後(5月下旬) 56 3.84%
2ヶ月後(6月中旬) 58 3.55%

クリック数は38から58へ、約53%増加しました。施策直後の数字だけで判断せず、反映までの時間も含めて見ることが大切です。

御社で試せること

Search Consoleの「ページ」タブを開いて、クリック0・表示ありのページを探してください。古いお知らせ、日付入りのイベント告知、中身のない固定ページ——こうしたページが見つかったら、noindexを検討する価値があります。

もったいない②:表示1,428回なのに、クリック12回のページがあった

症状

tsunagu-hp.jp(Web制作サービスのサイト)で、Search Consoleを見たとき、ある記事が目に留まりました。

1週間で1,428回も検索結果に表示されている。しかしクリックはたったの12回。CTRは0.84%。

表示回数はサイト全体の56%を占めています。つまり、このサイトで最も多くの人の目に触れている記事です。にもかかわらず、ほとんどクリックされていませんでした。

原因

記事の内容は「Googleマップの口コミ対策」。検索キーワードを見ると、「google 口コミ 嫌がらせ」「google map 口コミ」「google 口コミ 悪い」など、まさに困っている人が検索するキーワードで表示されていました。

では、なぜクリックされないのか?

同じサイトの別の記事と比較すると、答えが見えました。

ページ 表示回数 クリック CTR
口コミ対策記事 1,428 12 0.84%
Instagram活用記事 91 8 8.79%

Instagram活用の記事は表示回数がずっと少ないのに、CTRは10倍以上高い。この差は何か? 検索結果に表示されるタイトルとメタディスクリプション(説明文)の訴求力です。

口コミ記事のタイトルは「グーグルマップに悪い口コミを投稿された際の対処法」。2025年版という記載もあり、情報は古くありません。しかし、「対処法」という表現は他の記事でもよく使われる定型文です。検索結果で並んだとき、他と差別化できていなかったのです。

打ち手

この記事については、まだタイトル改善を実施していません(この分析をしたのが今週だからです)。しかし、打ち手は明確です。

  • タイトルに、検索する人の感情を含める。「対処法」ではなく「頼まれた口コミ、断っていいの?」のように、検索者の不安や迷いに寄り添う表現にする
  • メタディスクリプションで、記事を読むと何がわかるかを具体的に書く。「対処法を解説します」ではなく「削除申請の手順・返信テンプレート・弁護士相談の判断基準を解説」のように

表示回数1,428という数字は、すでにGoogleがこの記事を「このキーワードに対して表示する価値がある」と判断している証拠です。あとはクリックしてもらえるタイトルに変えるだけ。ページの中身を書き直す必要はありません。

御社で試せること

Search Consoleの「検索パフォーマンス」で、表示回数が多いのにCTRが低いページを探してください。「表示回数」で降順に並べると見つけやすいです。

見つかったら、そのページの現在のタイトルを確認して、「自分がこのキーワードで検索したとき、このタイトルをクリックするか?」と自問してみてください。たいてい、答えは「しない」です。

もったいない③:施策の効果が見えないのは、「比較」をしていないから

症状

4つ目のサイト、itcm.site(IT支援の問い合わせ獲得サイト)では、2026年5月末にブログ記事を5本まとめて投稿しました。社内の打ち合わせ議事録を元に書いた、実践的な記事です。

「記事を出したけど、効果あったの?」

この質問に答えるには、施策の前後でデータを比較する必要があります。しかし多くの中小企業では、「記事を出す→アクセス数を見る→増えてない→やめる」という流れになりがちです。

原因

問題は、何と比較しているかが曖昧なことです。

「アクセスが増えてない」と言うとき、比較対象は先月ですか?先週ですか? そもそも、記事がGoogleの検索結果に反映されるまでには時間がかかります。投稿した翌日にアクセスが来るものではありません。

打ち手

itcm.siteでは、投稿前のSearch Consoleデータを基準値(ベースライン)として記録し、投稿3週間後に同じ指標で比較しました。

指標 投稿前 3週間後
週間クリック数 ほぼ0 44
週間表示回数 ほぼ0 767
CTR 5.74%
平均掲載順位 9.5位

投稿わずか3週間で、44クリック・CTR 5.74%・平均掲載順位9.5位。特に「ChatWorkとAIを連携して業務を自動化する方法」という記事は、20クリック・CTR 8.2%と突出した結果を出しました。

なぜこの記事が特に良かったのか? それは、競合が少ないニッチなキーワード(「chatwork claude 連携」「chatwork ai 連携」等)を狙っていたからです。大企業が書かないような実務的なテーマだからこそ、小さなサイトでも上位に入れました。

この結果は、「記事を出してから3週間後にSearch Consoleを見る」という行動を決めていなければ、気づけなかったものです。

御社で試せること

記事を公開したら、公開日をメモしておいて、3週間後にSearch Consoleで確認してください。見るのは3つだけ:

  1. そのページの表示回数: 0なら、まだGoogleに認識されていない。もう少し待つ
  2. クリック数: 1以上あれば、検索から人が来ている。施策は機能している
  3. どんなキーワードで表示されたか: 狙ったキーワードと違う場合、記事の方向性を見直すヒントになる

3つのチェック、まとめ

今回の分析で見つけた"もったいないポイント"を整理します。

チェック 見るデータ 症状 打ち手
①低品質ページの棚卸し SC「ページ」→ クリック0・表示あり 記事を増やしてもCTRが上がらない noindex設定で検索結果から除外
②高表示・低CTRページ SC「検索パフォーマンス」→ 表示回数降順 表示されているのにクリックされない タイトル・メタディスクリプションの改善
③施策前後の比較 SC → 公開3週間後に確認 「効果があったかわからない」 ベースラインを記録して定点比較

どれも特別なツールは要りません。Search Consoleは無料で使えます。GA4も無料です。必要なのは、「何を見るか」を知っていることと、「定期的に見る習慣」だけです。

「定期的に見る」が一番難しい

……とはいえ、正直に言います。

僕自身、この定点分析を毎週続けるのは大変でした。GA4を開いて、Search Consoleを開いて、データをエクスポートして、Excelで比較して——。4サイト分となると、それだけで半日が潰れます。

中小企業の経営者やWeb担当者は、ホームページだけが仕事ではありません。営業もあれば事務もある。「データを見る時間がない」のは、怠慢ではなく現実です。

だから僕たちは、この分析プロセスを自動化するツールを作りました。GA4とSearch Consoleのデータを自動で取得し、週次・月次でレポートにまとめる。業種別のベンチマークと比較して、「御社のサイトは同業他社と比べてどうか」がわかる。この記事に載せた分析も、全てそのツールの画面から取得したデータです。

ご興味があれば、御社のサイトを無料で診断します。GA4・Search Console・セキュリティの3視点から、現状を1〜2枚のレポートにまとめてお渡しします。

御社のホームページにも"もったいないページ"、ありませんか?

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