「GA4、何が書いてあるかわからない」——それは普通のことです
「わざわざアクセスしに行くのも大変だし、そもそも書いてあることがわかんない」。
これは、僕がITコーディネータとして支援している金属加工業の会社(従業員約30名)の担当者が、GA4(Googleアナリティクス4)について語った言葉です。
GA4は、Googleが無料で提供しているアクセス解析ツールです。ホームページに何人が来て、どのページを見て、どこから来たのかを記録してくれます。2023年7月に旧バージョン(ユニバーサルアナリティクス)から完全移行し、現在はGA4が標準になっています。
しかし、中小企業の経営者やスタッフがGA4を「使えている」かどうかは、まったく別の話です。
ある宿泊施設の支援に入った際、最初に確認したのがGA4の設定状況でした。ホームページは何年も稼働していたにもかかわらず、GA4が未設定。つまり、何人のお客様がホームページを訪れ、どのページに興味を持ち、何をきっかけに離脱したのか——すべてが記録されないまま、何年もの時間が過ぎていたのです。
「GA4の設定がされていなくて、アクセス状況がまったくわからない」
この施設のオーナーはそう話してくれました。ホームページの効果を「感覚」で判断するしかなく、改善の手がかりがない状態が続いていたのです。
この記事では、GA4を「全部理解する」のではなく、中小企業の経営者が「これだけ見ればいい」という最低限のポイントに絞って解説します。
GA4で最低限確認すべき3つの数字
GA4の画面には大量のグラフや数字が並んでいますが、中小企業の経営者がまず確認すべきは3つだけです。
1. ユーザー数(何人がホームページに来たか)
GA4の「レポート」→「レポートのスナップショット」を開くと、直近の期間に何人がホームページを訪れたかが表示されます。
この数字の意味は業種によって大きく異なります。たとえば、全国からお客様が来る旅館であれば月間1,000〜5,000人のユーザーが目安になりますが、地域密着型のB2B企業(製造業、建設業など)であれば月間100〜500人でも十分です。
重要なのは絶対数ではなく、先月と比べて増えているか減っているか。この推移を毎月確認することが第一歩です。
2. どのページが見られているか(ページビュー)
「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を開くと、どのページが何回見られたかがわかります。
よくあるのが、「トップページだけが見られていて、サービス紹介ページや問い合わせページには誰もたどり着いていない」というパターンです。この場合、ホームページの内部導線(リンクやボタンの配置)に問題がある可能性が高いです。
逆に、特定のブログ記事だけがアクセスを集めている場合、そのテーマに関心のあるお客様が検索から流入していることがわかります。アクセスの多いページが、自社のサービスに関係のある内容かどうかを確認してください。関係のないページ(たとえば古い制作事例や一般的なコラム)ばかりにアクセスが集中している場合、ホームページの構成を見直す必要があります。
3. どこから来たか(流入経路)
「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を開くと、ホームページへの訪問者がどこから来たかがわかります。
| 表示 | 意味 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| Organic Search | Googleなどの検索エンジンから | 検索経由の訪問者が増えているか |
| Direct | URLを直接入力、またはブックマークから | 名刺やチラシからの流入が多い可能性 |
| Referral | 他のホームページからのリンク経由 | どのサイトから紹介されているか |
| Social | SNS(Instagram、Facebook等)から | SNS施策が流入に繋がっているか |
中小企業でよく見かけるのは、Organic Search(検索経由)がほぼゼロで、Directだけというパターンです。これは、検索からの新規流入がなく、既に自社を知っている人しかホームページを訪れていないことを意味します。ホームページで新しいお客様を獲得するには、検索経由の訪問を増やす取り組みが必要です。
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GA4と一緒に使うべき「Search Console」
GA4と並んで重要なのが、Google Search Console(以下、Search Console)です。GA4が「ホームページの中で何が起きているか」を記録するのに対し、Search Consoleは**「ホームページの外で何が起きているか」**——つまり、Google検索でどのように表示されているかを教えてくれます。
Search Consoleで確認すべき3つのこと
1. どんな言葉で検索されているか(検索クエリ)
「検索パフォーマンス」を開くと、お客様がどんな言葉で検索してホームページにたどり着いたかがわかります。ここに表示される言葉が、お客様が実際に悩んでいることの表れです。
たとえば、金属加工業の会社で「精密板金 小ロット」という検索クエリが表示されていれば、「小ロットの精密板金を依頼したい」というお客様がいることがわかります。これは営業活動にも活かせる情報です。
2. 検索結果に何回表示されたか(表示回数)とクリック数
表示回数が多いのにクリック数が少ない場合、検索結果に表示はされているが「クリックしたいと思わせるタイトルや説明文になっていない」ことを意味します。ホームページのページタイトルやメタディスクリプション(検索結果に表示される説明文)を見直すことで改善できます。
3. インデックス登録の状態
「ページ」→「インデックス登録」を確認すると、Googleがホームページの各ページを正しく認識しているかがわかります。「登録されていないページ」が大量にある場合、技術的な問題が発生している可能性があります。
「見に行かなくても数字が届く」仕組みを作る
GA4やSearch Consoleの最大のハードルは、「わざわざログインして確認する」という行為そのものです。
僕が支援先の中小企業にお勧めしているのは、週に1回、メールで自動レポートが届く仕組みを作ることです。GA4のカスタムレポート機能や、外部のレポートツールを使えば、毎週月曜の朝に「先週のアクセス数」「よく見られたページ」「検索流入の増減」が自動的にメールで届くようになります。
これなら、GA4にログインしなくても、数字の推移を把握できます。「先週よりアクセスが増えた」「問い合わせページへの流入がゼロだった」——こうした変化に気づければ、それだけで十分な第一歩です。
GA4を設定していなかった場合に失われるもの
GA4の設定は無料ですが、設定していない期間のデータは永遠に失われます。GA4は設定した時点からしかデータを記録しません。過去にさかのぼってデータを取得することはできないのです。
仮に、今日GA4を設定すれば、明日からデータが蓄積され始めます。3か月後には「季節による変動」が見え、6か月後には「どの施策が効果的だったか」を判断する材料が揃います。1年後には「前年同月比」で改善度を測ることができます。
逆に、設定を先延ばしにすれば、その分だけデータの空白期間が長くなります。ホームページの改善は、データがなければ始まりません。まだGA4を設定していない場合、今日設定することが、半年後の自社にとって最も価値のある投資です。
GA4の設定で注意すべきポイント
ホームページ制作会社に確認してほしいこと
GA4の設定は、ホームページを制作した会社に依頼するのが一般的です。その際、以下の3点を確認してください。
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GA4の管理権限を自社のGoogleアカウントに持たせてもらう: 制作会社のアカウントだけにアクセス権がある状態は避けてください。制作会社を変更した際に、データにアクセスできなくなるリスクがあります。
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Search Consoleも同時に設定してもらう: GA4だけでなく、Search Consoleも設定が必要です。セットで依頼してください。
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目標(コンバージョン)の設定を依頼する: 「問い合わせフォームの送信」「電話番号のクリック」「資料ダウンロード」など、ホームページの成果を測定するための目標設定を依頼してください。これがないと、アクセス数はわかっても「成果につながったか」がわかりません。
「WordPress保守」に含まれているか確認する
GA4の設定や管理は、WordPress保守サービスの範囲に含まれている場合があります。「WordPress保守の費用相場と「見えない保守」の問題」で解説していますが、保守費用の中身は会社によって大きく異なります。GA4の設定・監視が含まれているかどうか、一度確認してみてください。
数字を見たあとに直す場所
アクセスや問い合わせが少ない場合は、数字を見るだけで終わらせず、ホームページに効果がないと感じたら確認すべき5つのことで原因を切り分けましょう。
ブログの更新が止まっている場合は、会社のブログが書けない3つの理由と解決策を読むと、継続できない理由を整理できます。
サイトの表示崩れやセキュリティが不安な場合は、WordPress保守の費用相場と「見えない保守」の問題も確認しておくと安心です。
まとめ — 「全部わかる」必要はない
GA4を完璧に使いこなす必要はありません。中小企業の経営者に必要なのは、以下の3つの数字を月に1回確認する習慣だけです。
- ユーザー数: 何人がホームページに来ているか(先月比で増減を確認)
- ページビュー: どのページが見られているか(サービスページに到達しているか)
- 流入経路: どこから来ているか(検索経由の訪問者がいるか)
「ホームページに効果がない」と感じている方の多くは、そもそもこの3つの数字を見ていません。数字を見れば、「効果がない」のではなく「どこに問題があるか」が見えてきます。
GA4の設定がまだの方は、今日中にホームページの制作会社に連絡してください。設定は通常、1〜2営業日で完了します。設定を先延ばしにした分だけ、失われるデータがあることを忘れないでください。
「「ホームページに効果がない」と感じたら確認すべき5つのこと」も、あわせてお読みいただければ、ホームページの課題を体系的に把握できます。
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