
こんにちは!つなぐホームページのwebデザイナー神原キサコです。
「企業理念が伝わる」ホームページを制作をしています。
神原キサコの制作カフェでは、ホームページの活用方法の具体的な方法や成功事例を紹介しています。
たくさんの方に読んでいただけるよう、分かりやすい表現を心がけています。
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つなぐホームページのWEBデザイナー、神原キサコです。
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「いいとこ取り」が、信頼を損なう?建設業の人事戦略に見る、デザイン一貫性の欠如
先日、中堅建設規模の土木事業者様から、採用についてご相談をいただきました。「現在、ホームページや会社案内、学生向けのパンフレットなどは、東京で開催される合同会社説明会や学校訪問で手に入れた、他社さんの資料を参考に、いわば『いいとこ取り』で作っています。でも、現状、なかなかうまくいっていないんです…。」と、社長様は苦しい胸の内を明かしてくださいました。
お話を伺うと、社長様自身も「いいとこ取り」の資料作成に、どこか違和感を感じていたようです。「他社さんの事例を参考にすることは悪いことではないと思うのですが、どうしても主張がバラバラになってしまって…。伝えたいメッセージも曖昧になっている気がします。結果として、なんとなく形は整っているけれど、どこかチグハグで、学生さんからの反応もイマイチなんです。」
実は、この建設事業者様のように、デザインやメッセージの「いいとこ取り」が、かえって逆効果になっているケースは少なくありません。主張がバラバラになれば、当然、相手に伝わるイメージも変わってきます。 そして、結果として、「なんとなく信用できない」「しっくりこない」 という印象を与えてしまうのです。
デザインの一貫性が、なぜ「信頼」に繋がるのか?お客様の「第六感」を侮るな
今日は、ホームページに限らず、チラシや名刺、会社案内、そして採用活動など、あらゆる場面で共通して重要となる、「デザインとメッセージの一貫性」 についてお話しします。
突然ですが、お客様には「第六感」が備わっている、という話を信じますか?私は、お客様、特に、自社に興味を持ってくれている人々は、鋭い「第六感」を持っていると確信しています。そして、もし企業が嘘をついたり、ごまかしたりすれば、その「第六感」によって、必ず見抜かれてしまうでしょう。
例えば、競合他社の反応の良いチラシやホームページのキャッチコピーを真似したとします。しかし、お客様が実際に会社を訪問した際に、そのチラシやホームページから受けた印象と、社員の対応や、会社の雰囲気が異なっていたら、どう感じるでしょうか?「なんだか、話が違うぞ…」「この会社、怪しいな…」と、不信感を抱いてしまうはずです。
これは、単に社員の接客態度だけの問題ではありません。お客様への案内状、プレゼン資料、提出書類など、あらゆるタッチポイントにおいて「一貫性」が保たれていなければ、お客様は不安を感じ、「胡散臭い」と判断してしまうのです。
「情熱」を伝えるなら、赤・オレンジ、ゴシック体?デザイン要素とメッセージの統一が、強力なブランドを構築する
デザインの視点から見ても、主張したいメッセージと、デザイン要素(色、フォントなど)の統一は不可欠です。
例えば、「情熱」や「エネルギー」を伝えたいのであれば、赤やオレンジといった暖色系の色をメインカラーに据え、力強い印象を与えるゴシック体のフォントを使用するのが効果的でしょう。逆に、「誠実さ」や「信頼感」を伝えたいのであれば、青や緑といった寒色系の色を基調とし、明朝体などの落ち着いたフォントを選択すべきです。
このように、訴求したいメッセージによって、最適なデザイン要素は異なります。 それらを「いいとこ取り」しようとすると、デザインに統一感がなくなり、結果として、相手に誤ったメッセージを伝えてしまうことになるのです。
建設業社長様への提案「経営理念から導き出す、採用メッセージとデザイン戦略」
今回の建設業の社長様には、以下のような提案をさせていただきました。
「まずは、経営理念、10年ビジョン、経営方針、経営計画を改めて見直し、そこから導き出される、新入社員に伝えたいメッセージを明確にしましょう。どんな資格や経験を持っていてほしいのか、どんな働き方を期待しているのか。そして、どんな未来を一緒に創っていきたいのか、どんな人生を約束してあげたいのか。それらを徹底的に言語化し、メッセージに肉付けしていくことが重要です。」
この提案の実行にあたっては、社長だけでなく、経営幹部や従業員の皆様にもご協力いただき、プロジェクトメンバーを組成しました。さらに、社内アンケートを実施することで、現場で働く社員の生の声も収集しました。
つまり、
- 経営理念等の見直し・明文化
- 求める人物像・新入社員へのメッセージの明確化
- 社員の意見集約(プロジェクトチーム、社内アンケート)
というステップで、会社全体を巻き込みながら、「自社が本当に伝えたいメッセージ」を徹底的に掘り下げていったのです。
このプロセスを通じて、会社としての「軸」を明確にしました。そして、その「軸」に基づき、採用ホームページ、会社案内、採用パンフレット、そして社員の言動、全てに一貫性を持たせ、「自社の魅力」を効果的に伝えるための具体的な戦略を、以下のように提案させていただきました。
1. 経営理念・企業メッセージを、採用ホームページのメインコピーに据える
プロジェクトを通じて明確になった経営理念・企業メッセージを、採用ホームページの顔となるメインコピーとして、トップページ最上部に大きく掲載しました。 例えば、「地域社会の発展に貢献し、社員一人ひとりの成長を支援する」という経営理念であれば、それを体現するような力強いメッセージを採用ホームページのトップに掲げ、学生に企業の存在意義を強く印象付けます。
2. 社長メッセージ動画で、経営理念に込めた想いを「肉声」で届ける
社長自身の言葉で、経営理念に込めた想いや、新入社員に期待すること、共に創りたい未来などを語っていただき、その様子を動画コンテンツとして採用ホームページに掲載しました。文章だけでは伝わりにくい「熱意」や「人柄」を、動画でダイレクトに伝えることで、学生の共感を促します。
3. プロジェクトメンバーのインタビュー記事で、社員の「生の声」を届ける
プロジェクトメンバーとして参加した社員へのインタビュー記事を採用ホームページ、会社案内、採用パンフレットに掲載しました。「自社を選んだ理由」「仕事のやりがい」「職場の雰囲気」「今後の目標」 などを語ってもらうことで、会社のリアルな姿を伝え、入社後のイメージを具体化させます。
4. 社内アンケートの結果を、「数字で見る〇〇社」として可視化
社内アンケートで集まった社員の声を、「数字で見る〇〇社」 というコンテンツとして採用ホームページに掲載しました。例えば、「社員の平均年齢」「男女比」「有給休暇取得率」「資格保有者数」などのデータを、インフォグラフィックを用いて分かりやすく表現することで、会社の「働きやすさ」や「成長できる環境」をアピールします。
5. 「求める人物像」を明確化し、具体的な仕事内容と紐づける
プロジェクトを通じて明確になった「求める人物像」 を、採用ホームページや会社案内に明記しました。さらに、その人物像が、具体的な仕事内容とどのように繋がるのかを、分かりやすく説明することで、学生が自分の将来像をイメージしやすいようにしました。例えば、「協調性があり、チームで仕事を進めることが好きな方」という人物像であれば、「当社の現場監督は、多くの協力会社と連携しながら、一つのプロジェクトを成功に導く仕事です。あなたの協調性が、現場を円滑に運営するために不可欠です。」といった形で、具体的な仕事内容と紐づけて説明します。
6. 採用コンセプトに沿った、デザインの統一
上記のコンテンツ展開と並行して、採用ホームページ、会社案内、採用パンフレットのデザインを、採用コンセプトに基づいて統一しました。 例えば、「地域密着」 と 「社員の成長」 をコンセプトとするならば、地域社会との繋がりを感じさせる写真や、社員が活き活きと働く写真などを多く使用し、温かみのある、親しみやすいデザインで統一しました。また、コーポレートカラー を効果的に使用することで、企業としてのアイデンティティを視覚的に訴求しました。
7.「行動指針」の策定と、社員への浸透
明確化した企業メッセージや求める人物像を基に「行動指針」を策定しました。策定した行動指針を、社内研修などを通じて、全社員に浸透させました。これにより、社員一人ひとりが、会社の「顔」として、学生と接する際の「統一感」のある対応が可能となりました。
上記の施策を通じて、経営理念から導き出されたメッセージを、具体的な採用ツールに落とし込み、一貫性を持って情報発信することができました。 その結果、ターゲットとする学生への訴求力が高まり、採用活動の成果に繋がることが期待できます。
このように、会社全体を巻き込んだプロジェクトを通じて、「自社が本当に伝えたいメッセージ」を徹底的に掘り下げ、採用ツールに一貫性を持たせることで、「いいとこ取り」ではない、「自社らしさ」 を体現した、強力な採用ブランディングを実現できるのです。
デザインとメッセージの一貫性が、強固な信頼関係を築く
自分自身や自社で「何を為すべきか」を明確にし、その方針に従って、ホームページのデザインや運用、名刺、資料、そしてお客様への接客やメールの内容に至るまで、全てを「一貫させる」ことができれば、お客様から「この会社は信用できる」と思っていただけるでしょう。
「デザインとメッセージの制作と運用に一貫性を持たせること」を心がけることで、ホームページだけでなく、チラシや名刺、さらに日々のコミュニケーションに至るまで、お客様の「信頼」を勝ち取ることができるのです。
皆様もぜひ、自社の姿勢や方針を見直し、一貫性を持った取り組みを心がけてみてください。その努力は、必ずや強固な信頼関係の構築、そしてビジネスの成長に繋がるはずです。
ご参考になれば幸いです。(^_^)
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それでは、今週も一緒に頑張りましょう! 最後までお読みいただき、ありがとうございました。