【令和6年11月3日(日)】大幅にリライトしました!
著作者情報
著者:ハンズバリュー株式会社 代表取締役 島田慶資
変革者・作家
長岡技術科学大学 大学院 経営情報システム工学修士
経済産業省推進資格 ITコーディネータ
個人情報保護士
この記事は随時更新しています。ブックマークをおすすめします。
このブログ記事で伝えたいこと
キーワード: ネットショップ改善,売上増加戦略,初心者向けガイド
リード文: 「【2024年最新版】売れないネットショップを売れるネットショップに改善するための10の戦略」では、つなぐホームページの会員様と”ネットショップ”で売るために研究した実践事例をネットショップ初心者も理解しやすい形で、具体的に紹介します。”売れないネットショップ”を”売れるネットショップ”にしましょう!
はじめに
ネットショップが売れない主な原因とは?
ネットショップの経営において、売れるお店と売れないお店には明確な違いがあります。本記事では、売上が伸び悩んでいるネットショップ経営者様へ向けて、効果的な改善方法について詳しくご紹介します。多くの経営者様が「ネットショップで売れない」と検索し、情報を求めている中、この記事が明るい指針となれば幸いです。
売れる理由と売れない理由
売れるネットショップと売れないネットショップの間には、さまざまな要因が存在します。
一般論的に語れば、売れるお店は市場のニーズを正確に把握し、顧客の求める価値を提供しています。一方、売れないお店は市場の動向や顧客のニーズを見落としていることが多いです。しかし、売れないネットショップで悩んでいる経営者様においては「そんな一般論は聞き飽きた!」と嘆いていることでしょう。
「つなぐホームページ」での実践例をご紹介します
私たちのホームページ「つなぐホームページ」では、売れないネットショップにおいて具体的な改善策を通じて顕著な成果を得ています。(お客様の声を確認ください)この改善策は、実際に成果を上げた方法であり、多くの事業者様に参考にしていただきたい内容です。
売れない状況を打破するためには、お客様中心の取組でネットショップを改善することが欠かせません。月商50万円程度なら、どのような業種業態のネットショップでも目指せる売上です。この記事が皆様のネットショップ経営に役立つ情報となれば幸いです。
戦略1:ターゲット顧客の明確化
ペルソナ設定の重要性
「売れないネットショップ」に共通する大きな課題、それは想定するお客様が明確になっていないことです。「商品を置いていれば売れるだろう」という漠然とした期待だけでは、現代の競争の激しいネット市場では全く通用しません。
ネットショップ運営において、ペルソナ(理想的な顧客像)を設定することは、ビジネスの成功に直結する重要な要素です。なぜなら、ネット上には無数の競合ショップが存在しており、お客様は常に他店との比較検討を行っているからです。そのため、自社の商品やサービスが「誰に」最も必要とされているのか、深く理解する必要があります。
具体的には、想定するお客様がどんな属性で、どのような困りごとを抱え、どんな生活スタイルを送っているのか。そして、どのような心理状態でショップを訪れ、どんなタイミングで購入を決断するのか。これらをリアリティを持って考え抜くことが、成功への第一歩となります。
適切なペルソナ設定は、ショップ運営のあらゆる面に影響を与えます。商品の価格設定から、商品説明の表現方法、写真のスタイルまで。さらには、お客様へのおもてなしの方法、梱包の丁寧さ、同梱物の有無といった細部にまで及びます。メールでの対応頻度や熱量、使用する言葉遣いやトーンなど、すべての顧客接点がペルソナによって方向づけられるのです。
ペルソナ設定は、決して机上の空論ではありません。お客様に対するリアリティのある理解を深め、それを基に具体的なアクションを決定していくための重要なツールです。適切なペルソナ設定があってこそ、一貫性のある魅力的なショップ作りが可能になります。そして、そのような明確な方向性を持ったショップこそが、競争の激しいネット市場で確かな存在感を示すことができるのです。
顧客ニーズのリサーチ方法
ペルソナを設定した後、次に重要となるのが顧客ニーズのリサーチです。ここで注意すべき点は、ペルソナはあくまでも「想定する顧客像」であり、実在する顧客ではないという制約があることです。この限界を克服するために、実際の顧客ニーズをしっかりとリサーチすることで、想定と現実のギャップを埋めていく必要があります。
顧客ニーズのリサーチ方法には様々なアプローチがありますが、最も確実な方法は自社の実店舗に来店されているお客様の声を直接聞くことです。実は、ネットショップで成功率の高い運営方法は、実店舗に来店いただいているお客様と同じ客層をネットでも獲得していくというアプローチです。もちろん、ネットで新しい客層の開拓を目指すことも可能ですが、集客方法や商品力、おもてなしの方法が未熟な場合が多く、成功に結びつきにくい傾向があります。
そのため、まずは実店舗での既存顧客を深く理解することから始めましょう。具体的に確認すべき点は以下のような本質的な事項です。なぜ自社の店舗を選んでいただいているのか。どのような強みを感じていただいているのか。商品やサービスをどのように使用されているのか。どんなタイミングで利用されているのか。これらの点を丁寧に紐解いていくことが重要です。
ここで特筆すべきは、ネガティブな意見を集める必要は必ずしもないということです。例えば「価格が高い」という意見を聞いたとしても、もし値下げが可能であれば、すでに実施しているはずです。そうではなく、お客様がいつ、どこで、どんなタイミングで、どんな気持ちで自社の商品やサービスを使用されているのか、なぜ購入を決断されたのか、という具体的な購入動機や実際の使用シーンを確実に把握することが重要なのです。
このようにして得られた生の声、リアルな顧客インサイトを、先ほど設定したペルソナに照らし合わせてみます。想定している顧客像に対して、これらの実態が納得できるものであれば、それは正しい方向性を示していると考えられます。このように、想定と現実の両面からアプローチすることで、より確実なマーケティング戦略を構築することができるのです。
戦略2:商品ラインナップの最適化
人気商品の見つけ方
ネットショップで最も重要な要素、それは間違いなく「商品」です。ここで「売れる商品がない」と嘆く必要はありません。なぜなら、既存商品の組み合わせや数量を工夫することで、新たな商品価値を生み出すことが可能だからです。
中小企業のネットショップ改善支援をしていると、よく見かけるのが200円程度の商品を1個単位で販売しているケースです。事業者様の意図としては、「たくさんの商品の中からお客様が自由に選べた方が便利だろう」という配慮からこのような販売方法を選択されています。しかし、ここで立ち止まって考えてみましょう。全く知らないお店で、商品が並んでいるだけの状態で、本当に自分の好みに合った商品を選べるでしょうか。
重要なのは、お店が自信を持ってお客様にお勧めできる商品パッケージを提案することです。つまり、商品の「見せ方」を整えることが大切なのです。既存商品を組み合わせて新しい商品を作り出し、設定したペルソナやリサーチした顧客ニーズに合致した提案をすることで、魅力的な商品が生まれます。
例えば、老舗和菓子店の場合を考えてみましょう。
創業歴の長い店舗であれば、菓子職人が本気でお勧めする「手土産セット」のような商品構成が効果的です。これによってお客様は「この店の自信作はこれか」と理解しやすくなります。
また、精肉店が直営でネットショップを運営している場合、お客様は「小売店より安く買える」「希少部位や特別なお肉が手に入る」といった期待を持って訪れます。このようなお客様のイメージに応える商品づくりが重要です。例えば「ボリューム満点バーベキュー大満足セット」や「厳選お肉3kgセット」など、小売店では手に入りにくい切り方や商品構成、適度なディスカウント(もちろん適正な利益は確保した上で)を施した商品を展開することで、お客様の期待に応えることができます。
このように、自社の既存商品を組み合わせながら、設定したペルソナや把握した顧客ニーズを念頭に置いて商品開発を行うことで、必ず人気商品は生まれるのです。大切なのは、お客様目線で商品の価値を再構築する発想を持つことです。
商品数と種類のバランス
「商品数は多い方がいいのか、それとも種類を絞るべきか」―これは多くの事業者様から寄せられる相談です。確かに、商品数が多ければ、様々なお客様のニーズに応えられ、購入確率が高まるように思えます。しかし、商品数と売上は必ずしも正比例しません。
アマゾンのような大規模ネットショッピングモールでは、ロングテール理論に基づいて売上を伸ばすことができますが、中小企業ではそのような戦略を取ることは現実的ではありません。実際、月商100万円を目指すネットショップであれば、20種類程度の商品であっても十分な売上を達成することは可能です。
ここで重要になってくるのが「瞬発力」です。集客方法にも関係してきますが、中小企業の場合、よほどの技術力やブランド力がない限り、お客様との力関係では劣勢からのスタートを余儀なくされます。この現実を認識した上で、戦略を練る必要があります。
そこで効果的なのが、旬の商品を期間限定で素早く展開していく方法です。商品数や種類が少なくても、販売期間を限定することで「今買わなければ損をする」「今しか買えない」というドキドキ感やワクワク感を演出することができます。一シーズンまたは一か月ごとに商品を刷新し、常に新鮮な状態を保ち続けることが重要です。
この「新鮮さ」は、お客様の集客理由となり、また再訪問の動機にもなります。
一見、毎月商品を入れ替えるのは大変そうに思えますが、年間サイクルで考えれば、来年も同じ月に同じ商品を展開できるため、それほどの負担にはなりません。確かに初年度は商品展開の計画を立てるのに苦労するかもしれませんが、一度サイクルが確立されれば、年々ブラッシュアップしていけばよいのです。
特に中小企業にとって、この新鮮さの維持は非常に重要です。現状、多くのネットショップが商品を「売りっぱなし」の状態にしています。まずはこの点を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。商品を定期的に入れ替え、常に新鮮な状態を保つことで、限られた商品数でも効果的な販売を実現することができるのです。
戦略3:魅力的な商品ページの作成
商品説明文の書き方
商品名と商品説明文は、ネットショップの成功を左右する重要な要素です。特に商品名は、SEO(検索エンジン最適化)の観点からもタイトルタグとして使用されるため、ウェブマーケティング上の効果も考慮する必要があります。
商品名は30文字程度で、以下の要素を明確に伝える必要があります。
- 想定購入者
- 商品の強み
- お客様が使用する検索キーワード
- 商品の特徴や売りとなるポイント
商品説明文においても、単なる内容物の説明だけでなく、その商品ならではの良さや強みを十分に表現することが重要です。多くの事業者様のネットショップを拝見すると、商品の事実情報を誠実に記載されていることが分かります。しかし、事実だけでは商品は売れません。なぜなら、商品購入の決め手となるのは、お客様の感情だからです。
そこで重要になってくるのが、ペルソナを活用した商品説明文の作成です。想定するお客様が、どのようなタイミングで商品ページを閲覧するのか、具体的にイメージしてみましょう。
- 時間帯は?(夜なのか、朝なのか)
- 場所は?(自宅なのか、電車の中なのか、休憩時間なのか)
- その時の心理状態は?
お客様の閲覧シーンや心理状態を具体的にイメージし、その気持ちに寄り添った表現方法で説明文を作成することが重要です。例えば、夜遅くに疲れて帰宅した後に商品を探しているお客様と、休日にゆっくりと商品を選んでいるお客様では、響く言葉や表現が異なってきます。
もちろん、このような商品説明文の作成は簡単な作業ではありません。簡単であれば、どのショップでも成功しているはずです。しかし、だからこそ、しっかりとお客様に向き合い、深く考えて執筆することで、競合との差別化を図ることができるのです。
商品説明文は、単なる商品情報の羅列ではなく、お客様の感情に訴えかけ、購買意欲を喚起する重要なコミュニケーションツールなのです。お客様の立場に立って、どのような説明があれば購入の決断をしやすいか、丁寧に考えていきましょう。
※ブログ「セールスライティングの基本」を参考にしてみてください
高品質な画像・動画の活用
商品写真は、お客様の購買決定に直接影響を与える重要な要素です。スマートフォンでの撮影も技術的には可能ですが、現在のネットショップ業界では、プロのカメラマンによる撮影が標準となっています。コストはかかりますが、質の高い写真は避けて通れない投資となっているのが現状です。
なぜ写真がそれほど重要なのでしょうか。実店舗と異なり、ネットショップではお客様が商品を直接手に取ることができません。そのため、商品の実態を伝えるのは「写真」「商品名」「説明文」の3要素のみです。言い換えれば、これらが実際の商品の代わりとなるわけです。この要素のいずれかが不十分であれば、お客様は購入を躊躇してしまいます。
プロのカメラマンへの発注は、一回あたりの出張費を含めて約10万円程度を見込む必要があります。また、点数で依頼するならば商品1点あたり約1万円という計算になるでしょう。
このコスト面から、中小企業では必然的に商品点数を絞り込む必要が出てきます。しかし、これは逆に良い機会となります。設定したペルソナやリサーチした顧客ニーズから、確実に需要が見込める商品を厳選し、それらの撮影に注力することができるのです。
プロのカメラマンには以下のような撮影を依頼することができます。
- 商品の単品写真
- 商品の詳細カット
- 商品の組み合わせ写真
ただし、プロのカメラマンに任せきりにするのは適切ではありません。事業者側で以下の点をしっかりと検討してから撮影に臨むことで、より効果的な写真を得ることができます。
- どの商品をどのアングルで撮影するか
- どのタイミング(季節や時間帯)の撮影が効果的か
- どの商品同士の組み合わせが魅力的か
- 商品の魅力を最大限引き出すための見せ方
このように、プロのカメラマンの技術と、事業者自身の商品知識や販売戦略を組み合わせることで、より説得力のある、購買意欲を刺激する商品写真を実現することができます。写真撮影は大きな投資になりますが、それだけの価値を引き出すための準備と計画が重要なのです。
戦略4:ECサイトのデザインとユーザビリティの向上
シンプルで見やすいデザインのポイント
現代のネットショップデザインにおいて、最も重要なのはシンプルなワンカラムレイアウトです。この傾向は、スマートフォンでの閲覧が主流となってきていることと密接に関係しています。PCサイトであっても、スマートフォンと同様のシンプルで使いやすい画面構成が求められる時代になってきています。
確かに、豊富な情報量を提示することでお客様の期待感を高める手法も存在します。しかし、中小企業のネットショップが月商100万円を目指すという観点では、むしろ情報を絞り込んだシンプルな構成で十分です。実際、STORES.jpやBASEなどの主要ECプラットフォームでも、シンプルなワンカラムデザインのテンプレートが標準として提供されています。これは、お客様自身がこのようなシンプルなデザインに慣れ親しんでいることの表れでもあり、あえてこの流れに逆らう必要はないでしょう。
ネットショップを始めたばかりの事業者様の多くは、STORES.jpやBASEなどの比較的安価なECプラットフォームを利用されています。ここで重要なのは、プラットフォームの選択に過度に悩む必要はないということです。どのプラットフォームを選択しても、月商100万円以上を達成することは十分に可能です。
むしろ注意すべきは、デザインやプラットフォームの選択以前の問題として、ペルソナ設計や顧客ニーズの把握が不十分なケースが多いということです。これは非常に重要な点で、戦略の根幹となる部分でのつまずきは、デザインやプラットフォームの変更だけでは取り返しがつかないことを意味します。
言い換えれば、シンプルで見やすいデザインのECプラットフォームを選ぶことは確かに重要ですが、それ以上に顧客戦略の部分での成功が不可欠です。戦術(デザインやプラットフォーム)でいくら工夫しても、戦略(顧客理解)の失敗は挽回できないのです。
このことから、デザイン選択の優先順位は以下のようになります。
- まず顧客戦略を確実に固める
- シンプルで使いやすいデザインを選択する
- 必要最小限の情報を見やすく配置する
シンプルなデザインは、単なるトレンドではなく、お客様の購買行動に寄り添った結果として選択されるべきものなのです。
モバイル対応の重要性
現代のネットショップにおいて、モバイル経由での購入は主流となっています。実際、商品購入の大半がスマートフォンを通じて行われているのが現状です。このため、モバイル対応は最重要課題の一つと言えます。
STORES.jpやBASEなどのECプラットフォームを利用している場合、リキッドデザインによって自動的にスマートフォン向けに画面が最適化されます。しかし、ここに落とし穴が潜んでいます。この自動最適化を過信してしまい、実際のモバイル表示を確認せずに運営している事業者様が予想以上に多いのです。
なぜこれが問題なのでしょうか。スマートフォンはPCと比べて画面サイズが大幅に小さいため、以下のような課題が発生します。
- 商品写真の見え方がPCとは大きく異なる
- 説明文の読みやすさが変わってくる
- PCでアップロードした大容量の画像や動画が、スマートフォンで正常に表示されない場合がある
このため、PCで作業を完了した後、必ず以下の確認作業を行うことが重要です。
- iPhoneやAndroidなど、複数の端末での表示確認
- 実際の操作性のチェック
- 画像や動画の読み込み速度の確認
特に注意すべき点は、スマートフォンではマウスではなく指(特に親指)での操作が基本となることです。ボタンの配置や大きさ、タップしやすさなど、指での操作を前提とした使いやすさの確認が不可欠です。
一つの実践的なアプローチとして、担当者様や経営者様自身のスマートフォンで実際に操作してみることをお勧めします。自分自身が使いづらいと感じる部分は、間違いなくお客様にとっても使いづらい箇所となります。
モバイル対応の重要性は、ほとんどの事業者様が理解されています。しかし、PCでの作業で完結させてしまい、実際のスマートフォンでの確認を怠っているケースが非常に多いのが現状です。これは重大な落とし穴となり得ます。
スマートフォン対応は「自動化されているから大丈夫」という認識ではなく、実際の使用感を確認し、必要に応じて改善を加えていく姿勢が重要です。お客様の購買体験の大半がモバイルで行われている以上、このプロセスは決して省略できない重要なステップなのです。
戦略5:SEO対策で検索順位を上げる
基本的なSEOの知識
ネットショップの集客方法は、大きく3つに分類されます。
- インターネット広告
- SEO対策による検索順位の向上
- SNSマーケティング
このうち、中小企業が自助努力で取り組めるのがSEO対策とSNSマーケティングです。予算が限られている中小企業にとって、これらの対策は完全にコストフリーというわけではありませんが、基本的な知識があれば、ある程度の集客を見込むことができます。
SEO対策で最も重要となるのが、商品名とショップ名の設定です。これらはタイトルタグとして使用され、GoogleやYahoo!などの検索エンジンから重要視される要素となります。ペルソナ分析や顧客ニーズの調査結果を、これらの名称に反映させることが効果的です。
ただし、ここで注意すべき点があります。単純に検索ニーズだけを考慮した商品名やショップ名を設定してしまうと、店舗の信頼性や老舗としての品格とかけ離れた印象をお客様に与えかねません。検索エンジン対策と、ブランドイメージの維持という、時として相反する要素のバランスを取ることが重要です。
商品説明文についても、SEOの観点から重要な要素となります。ただし、「文字数が多ければよい」という単純な話ではありません。お客様にとって必要かつ十分な情報量を、適切なボリュームで提供することが求められます。文章量が少なすぎれば検索エンジンから評価されにくいのは当然の理です。
つまり、SEO対策の本質は以下に集約されます。
- お客様をしっかりと理解する
- 必要とされる情報を適切に提供する
- 誠実な情報発信を継続する
YouTubeやTikTokなどでは、多くのインフルエンサーがSEO対策について情報発信していますが、地方の中小企業のECサイトにおいては、そうした手法よりもむしろ、お客様本位の基本に忠実なアプローチをお勧めします。お客様をしっかりと見つめ、その期待に応えるウェブサイトを作り上げていく―この王道こそが、結果として最も効果的なSEO対策となるのです。
要するに、SEO対策は特別な技術というよりも、お客様への誠実な対応の延長線上にあるものと考えるべきです。インフルエンサーの助言も参考になりますが、自社のお客様に真摯に向き合い、その声に耳を傾けることが、持続可能なSEO戦略の基盤となるのです。
キーワード選定のポイント
検索対策(SEO対策)において、商品名やショップ名が重要であることは先ほど説明した通りです。
しかし、多くの事業者様が「どのような検索キーワードを狙うべきか」という点で悩まれています。地方の中小企業のネットショップにとって、その答えは意外なところにあります―それは日々の現場での接客にあるのです。
お客様との会話に耳を傾けてみてください。
なぜなら、検索に使用されるキーワードは、お客様が日常的に使用している言葉そのものだからです。接客の現場では、様々な会話が交わされるでしょう。
- 商品購入時の相談内容
- 贈り物としての使用シーン
- 商品の使用方法についての質問
- 何気ない雑談の中での言葉
これらの会話の中に、自社商品に最もふさわしいキーワードのヒントが隠れています。確かに、このようなキーワードは、検索ボリュームの観点からは大きな数字が期待できないかもしれません。
しかし、地方の中小企業にとって、巨大な市場での激しい競争に参入することが、必ずしも最適な戦略とは限りません。むしろ、以下のような方針の方が効果的です。
- 確実に売上が見込める市場を狙う
- 自社商品の魅力が確実に伝わる場所で勝負する
- 地に足のついた展開を心がける
つまり、誰もが競合している大きな市場を狙うのではなく、実際のお客様との会話から得られたキーワードを基に、的確な市場を選定していくことが、地方の中小企業にとって堅実なアプローチとなります。
このアプローチの利点は、実際のお客様の声に基づいているため、現実の購買行動との結びつきが強いことです。お客様が普段使っている言葉こそが、最も自然な、そして効果的な検索キーワードとなるのです。
キーワード選定において重要なのは、大手企業との競争を意識しすぎることではなく、自社のお客様の声に真摯に耳を傾け、そこから得られる実践的なヒントを活用することです。この地道なアプローチこそが、持続可能な成長につながる確かな道筋となるのです。
戦略6:SNSを活用した集客方法
適切なSNSプラットフォームの選び方
ネットショップの集客において、SNSマーケティングは重要な役割を果たしています。しかし、多様なSNSプラットフォームの中から、どれを選択すべきか悩まれる方も多いでしょう。ここで重要な大前提があります。SNSマーケティングは、ユーザーの休憩時間や就寝前の空き時間、入浴時間などに閲覧されるため、継続的な情報発信が必須となります。
したがって、「どのプラットフォームが売れるか」という視点ではなく、「どのプラットフォームなら継続的に魅力ある発信ができるか」という観点で選択する必要があります。
各プラットフォームには、それぞれ特徴的な性質があります。X(旧Twitter)は比較的高い年齢層で購買力のあるユーザーが多く、情報の流れが早いため頻繁な投稿が必要です。テキストベースの投稿が中心となるため、Web担当者がXの使用に慣れていれば効果的な運用が可能です。
一方、Instagramは写真・動画の撮影技術が重要となります。年齢層は比較的高めで購買につながりやすく、フォロワーは投稿者と同様の体験を求める傾向があります。そのため、写真や動画制作のスキルがある担当者に特に適したプラットフォームといえます。
Facebookはさらに高めの年齢層がメインとなり、身内中心の情報発信が多いため、新規集客は限定的です。しかし、フォロワーが1万人程度まで成長すると情報拡散力が向上し、広告活用との相性も良好です。また、競合が少ないため、参入の余地が比較的大きい市場でもあります。
TikTokやYouTubeなどのプラットフォームもありますが、TikTokはターゲット年齢層が若すぎる傾向があり、YouTubeは競合が多く独自性の発揮が困難です。自社運営のみでの展開は容易ではありません。
プラットフォーム選択で最も重要なのは、担当者の得意分野や興味、継続的な発信の可能性、自社の商品・サービスとの相性、そしてターゲット顧客の利用傾向を総合的に判断することです。売上やトレンドだけでなく、自社の特性や運営体制との親和性を最優先で考える必要があります。なぜなら、継続的な情報発信ができないプラットフォームでは、たとえ一時的な成果が出ても、長期的な成功は望めないからです。
結論として、自社のWeb担当者やネットショップ担当者が無理なく継続できる、親和性の高いプラットフォームを選択することが、持続可能なSNSマーケティングの基盤となります。プラットフォームの特性を理解した上で、自社の実情に最も適したものを選ぶことが、成功への近道となるのです。
フォロワーを増やすための投稿術
SNSプラットフォームを選定した後の重要なステップが投稿戦略です。多くの方が「フォロワーを増やすこと」に注力しがちですが、本質的な目標は「魅力ある投稿を通じて自社のファンを作ること」にあります。
フォロワー数を増やす手法として、いわゆる「フォロー返し」を推奨する意見もありますが、この方法には大きな問題があります。なぜなら、このように水増しされたフォロワー数は、実際の売上につながりにくいからです。本当に自社や商品のことを理解し、共感してくれているフォロワーでなければ、持続的な関係を築くことは困難でしょう。
では、SNSを通じて自社のファンを作るにはどうすればよいのでしょうか。これは極めて人間的な課題です。全く知らない方に自社のことを好きになってもらうために、次のようなアプローチが考えられます。
商品を購入してくださったお客様をエゴサーチし、感謝の意を表明する。毎日丁寧な投稿を心がけ、お客様との交流を深めたいという意思を示す。自社商品の定期的な情報発信を通じて、企業としての強みや存在意義を伝える。また、担当者の個性を適度に出すことで、投稿に温かみのあるカラーを付加することも効果的です。
重要なのは、単純なフォロワー数の増加ではなく、「どうすれば好きになってもらえるか」という視点です。これは担当者の力量が大きく問われる部分であり、単純なマニュアル化は困難です。なぜなら、これは方法論の問題ではなく、根本的な姿勢の問題だからです。
そのため、フォロワーを増やし、ファンを作っていく過程では、必然的に担当者の個性が表れてきます。画一的なマニュアルやルールで縛ることは適切ではありません。むしろ、担当者一人一人が自身の個性を活かしながら、誠実にお客様と向き合うことが、本質的なSNSマーケティングの成功につながるのです。
この「好かれる」ための取り組みは、地道で時間のかかるプロセスかもしれません。
しかし、この真摯な姿勢こそが、結果として強固なファン層の形成と、持続的な事業成長をもたらすのです。SNSを通じた関係構築は、まさに人と人とのコミュニケーションの延長線上にあることを忘れてはいけません。
戦略7:広告の効果的な利用
リスティング広告の基本
リスティング広告とは、Google、Yahoo!、Bingなどの検索プラットフォームで、検索キーワードに応じて上位に表示される広告のことです。この広告の特徴は、クレジットカード一枚で、最小投資額数千円程度から始められる手軽さにあります。
例えば、「山形県 さくらんぼ 通販」という検索キーワードに対して広告を出稿すれば、そのワードで検索したお客様に対して、自社のネットショップを最上位に表示させることができます。成果報酬型の広告であるため、お客様が広告をクリックしてはじめて広告費が発生します。つまり、毎月固定の広告費ではなく、お客様の検索ニーズの増減に応じて広告費も変動する仕組みです。
この仕組みが画期的である理由は、検索しているお客様が明確な課題や悩みを持っているという点です。そのような具体的なニーズを持ったお客様を、わずか数十円から数百円程度で集客できることは、マーケティングの観点から非常に効率的といえます。
ネットショップを始めたばかりの事業者様には、まずGoogleに絞って広告運用を始めることをお勧めします。もちろん、Yahoo!やBingなど他のプラットフォームでも同様の広告は可能で、予算に余裕がある場合は全方位的な展開も検討できます。しかし、限られた予算で効果を最大化するには、まず精度の高いGoogle広告で成功体験を積み、その後他のプラットフォームへ水平展開していく方法が賢明です。
リスティング広告を実行する際、広告費の計算は非常に重要です。一般的にネットショップの商品購入率は0.5%程度と言われています。これは200人に1人が商品を購入する計算になります。1クリックあたり50円の広告費がかかるとすれば、1件の購入を獲得するために200人分、つまり1万円の広告費が必要となります。この広告費を上回る利益を確保するか、お客様のリピート購入で補完する戦略が必要となります。
中小企業においては、「投資があって回収がある」という流れを意識し、「Googleから顧客を買う」という感覚で取り組むことが重要です。そのため、広告運用を始める前に、以下の点を明確にしておく必要があります。
- どの程度の広告費が許容できるのか
- どの数値を撤退ラインとするのか
- 売上と利益の計画はどうあるべきか
これらのマーケティングシミュレーションは、たとえ概算であっても、事前にしっかりと行っておくことが成功の鍵となります。なお、この考え方はSNS広告においても同様に適用されます。リスティング広告は効果的なツールですが、計画性を持った運用が不可欠なのです。
SNS広告の活用法
SNS広告は、リスティング広告と比較して場合によっては1/10という驚くほど安価な広告出稿が可能です。実際の実験結果からも、再生回数、表示回数、リンクのクリック数など、数値的には圧倒的な結果を出せることが確認されています。
しかし、SNSの特徴として、ユーザーは休憩時間や電車での移動中など、比較的時間に余裕があるリラックスしたタイミングで閲覧することが多いため、商品購入に直接結びつくケースはリスティング広告と比べてかなり低くなります。このような特性から、SNS広告は低単価で設定されているのです。
SNS広告の親和性は、商材によってある程度限定されます。基本的に個人ユーザーが閲覧するメディアであるため、法人向けの情報発信には適していない傾向があります。ただし、Facebook広告については、比較的高い年齢層がメインユーザーであるため、法人向け広告でも一定の効果が期待できます。
商材との相性を考える上で、重要な判断基準があります。例えば、お客様が困ったときに能動的に検索するような商材であれば、GoogleやYahoo!などのリスティング広告が適しています。一方、お菓子やアパレル関係などは、検索ニーズを拾いにくい商材です。
特にアパレル商材がSNS広告に適している理由は興味深いものがあります。「いい服」や「可愛い服」という概念は、個人の価値観に大きく依存し、統一的な検索キーワードとして機能しにくいのです。そのため、SNS広告を通じて写真や動画で商品の魅力を視覚的に訴求し、その価値観に共感するお客様を集めていく手法が効果的となります。
このように、SNS広告を活用する際は、以下の要素を総合的に考慮する必要があります:
- ターゲットとなる閲覧者の属性
- 閲覧される時間帯や状況
- 自社商材との相性
SNS広告は、単に安価だからという理由で選択するのではなく、これらの特徴を十分に理解した上で、自社の商材やマーケティング戦略に合致するかどうかを慎重に判断することが重要です。適切な活用により、効率的な集客と販促効果を期待することができるのです。
戦略8:メールマーケティングでリピーター獲得
メルマガの作成と配信タイミング
メールマガジンというと、楽天市場をはじめとする過剰な配信により、「迷惑」や「困る」といった否定的な印象を持つ方も多いかもしれません。しかし、現在でも多くの企業がメールマガジンを配信し続けている事実は、この手法が依然として現役の有効なマーケティングツールであることを示しています。
ネットショップとメールマガジンの親和性は特に高いと言えます。商品購入時、お客様は住所、名前、電話番号、そしてメールアドレスを入力しますが、LINEなどのSNSアカウントまでは通常入力しません。つまり、メールアドレスは確実に把握できる貴重な連絡手段なのです。このため、メールマガジンはネットショップにおけるリピーター確保の最重要マーケティングツールといえます。
効果的なマーケティング戦略として、新規顧客の獲得はSNSやSEOに頼り、リピーターはメールで育成するという流れが理想的です。メールマガジンの執筆において心強い点は、読者が既に自社の商品やサービスを購入してくださったお客様だということです。つまり、商品やジャンルに関心を持つ確実なターゲット層なのです。
このような読者に対して、以下のような内容を提供することが効果的です。
- 商品ジャンルの深掘りした情報
- 製品の使用方法や活用のコツ
- 自社の強みや特徴的な取り組み
- 商品のPRと販促情報
配信頻度は、月1回から隔週2回程度が適切です。ただし、単なる配信頻度以上に重要なのは、配信内容の質です。社内で十分な検討を重ね、季節感のある話題、注目商品の紹介、そして担当者の個人的な話題を織り交ぜるなど、自社らしさを表現する工夫が必要です。
このコンテンツの質が、メールマガジンの成否を分けると言っても過言ではありません。ネットショップの運営は決して甘くない世界です。新規顧客の獲得には相応の広告費がかかるため、リピーターの確保が事業の持続可能性を左右します。
メールマガジンは、このリピーター獲得における強力なツールです。しかし、安易な取り組みではリピーターの獲得は難しく、結果として広告費の負担に耐えきれなくなる可能性があります。過去の数々の失敗事例が示すように、メールマガジンの重要性を軽視することは、ネットショップ運営における大きなリスクとなり得るのです。
パーソナライズされたメールの効果
メールマガジンは一斉配信型のコミュニケーションツールですが、中小企業のネットショップを発展させるためには、さらに踏み込んだお客様との関係構築が必要です。特に、超優良顧客に対しては個別のメール配信を行うことで、特別な関係性を築くことができます。
ネットショップの運営期間が長くなると、お客様の購買パターンが見えてきます。お試し商品だけを購入する一時的なお客様もいれば、継続的に購入してくださる熱心なファンの方々も現れてきます。このような優良顧客に対しては、季節ごとの個別メール配信という特別なアプローチが効果的です。
ここで重要なのは、必ずしも新規の商品購入を促す必要がないという点です。なぜなら、これらの優良顧客は、特別な働きかけがなくても自然に購入してくださる方々だからです。むしろ重要なのは、そのお客様が「特別な関係性にある」と認識していただくことです。この「特別である」という認識が継続する限り、お客様は優良顧客であり続けてくださるはずです。
そのため、単なる特別割引クーポンの発行よりも、より個人的で親密な情報共有が求められます。例えば、お客様だけにお伝えする季節の情報や、社員の結婚、出産といった身内の出来事なども、喜んでいただける可能性が高いのです。なぜなら、これらのお客様は単に商品が好きなだけでなく、その背後にある企業や人々にも関心を持ってくださっているからです。
このような特別な関係性を築くために重要なのは、金銭的なメリットではありません。むしろ、重要な関係性だからこそ共有できる、より価値のある情報があるはずです。それは企業の内側の話かもしれませんし、商品開発の裏話かもしれません。このような深い関係性を構築できるネットショップは、非常に強い競争力を持つことができます。
優良顧客とのコミュニケーションにおいて、金銭的なインセンティブよりも大切なのは、「特別な関係」という認識を醸成することです。これは単なるビジネス上の取引を超えた、より深い絆を作り出すことにつながります。このような関係性を築くことができるネットショップこそが、持続的な成長を実現できるのです。
戦略9:顧客レビューと評価の活用
レビューを増やす方法
ネットショップにおいて、レビューは極めて重要な要素です。なぜなら、お客様は商品の品質を判断する際に、第三者による冷静な意見を重視するからです。特にギフト商材など、失敗が許されない商品においては、レビューの有無が販売に直接影響を与えることさえあります。
では、このように重要なレビューをどのように増やしていけばよいのでしょうか。答えは明確です。お客様に直接お願いしていく以外に方法はありません。同梱チラシなどを通じて、「商品をご購入いただき、ありがとうございます。他のお客様にこの商品の品質を伝えるため、ぜひレビューのご協力をお願いいたします」といった形で、丁寧にお願いすることが大切です。
このようなお願いが必要な理由は、レビューの投稿傾向にあります。通常、お客様がレビューを書くのは、次の二つの極端な場合に限られます:
- 非常に感動した場合
- 大変不満を感じた場合
つまり、商品やサービスが「普通」や「想定通り」という評価の場合、お客様は面倒な手間をかけてまでレビューを書こうとはしません。そのため、放置しているだけでは、中立的な意見が集まりにくい状況にあるのです。
また、レビュー収集には別のアプローチも効果的です。それは、お客様の悩みに真摯に寄り添うことです。お客様が抱える課題や困りごとに対して適切なサービスを提供することで、自然と感謝の気持ちが生まれ、それがレビューという形で表現されることがあります。
ただし、ここで重要なのは、無理な対応は不要だということです。お客様が「このような理由で困っている」と相談してくださった際に、その声に誠実に応えるサービスを提供すれば、お客様は自然と感謝の念を込めてレビューを書いてくださることが多いのです。
結局のところ、レビューはお客様との関係性の表現です。この関係性をいかに構築していくのか、そしてどのようにレビューをお願いしていくのか、という極めて人間的な部分が重要になってきます。形式的なお願いではなく、真摯な対応と丁寧なコミュニケーションを通じて、自然とレビューが集まる環境を作っていくことが大切なのです。
ネガティブな評価への対応策
ネットショップを運営していく上で、一定の確率でネガティブな評価が寄せられることは避けられない現実です。ネットショップは、より多くのお客様の幸せを創出することを目的としているため、このような状況への適切な対応は非常に重要です。
ネガティブな評価には、大きく分けて二つのケースがあります。一つは、ネットショップ側の落ち度によって生じた問題です。この場合は、速やかにお客様にご連絡を取り、真摯に向き合うことが必要です。
もう一つは、お客様の勘違いや事実に基づかない内容の投稿です。この場合、対応は状況によって異なります。例えば、個人情報や従業員の名前・呼称などが掲載されている場合は、個人情報保護の観点から削除することは正当な対応となります。
しかし、商品の品質やサービス対応に関するクレームについては、異なるアプローチが望ましいと考えられます。システム上は削除可能かもしれませんが、そのお客様の声はあえて残し、それに対して真摯な謝罪と対応の返信を加えることが重要です。
なぜなら、他のお客様は必ずしも悪い口コミの内容だけを見て購入を判断・躊躇しているわけではありません。むしろ、ネットショップがそのような評価に対してどのように対応しているか、その姿勢を注視しているのです。たとえネガティブな評価が数件あったとしても、それに対して誠実に向き合う姿勢が見られれば、「この程度の評価は許容範囲だろう」とお客様に判断していただける可能性が高くなります。
ネガティブな口コミを単に削除するような対応では、根本的な問題解決にはなりません。むしろ、次のような姿勢が重要です。
- お客様としっかり向き合う
- 問題の本質を理解する
- 改善に向けた具体的な対応を示す
- 誠実なコミュニケーションを心がける
このように、ネガティブな評価への対応策は、単なる表面的な処理ではなく、お客様満足を追求するネットショップ運営の姿勢そのものを示すものとなります。これこそが、長期的な信頼関係を構築する王道であり、結果としてネガティブな評価への最も効果的な対応策となるのです。
戦略10:データ分析による継続的な改善
アクセス解析ツールの使い方
ネットショップ運営において、アクセス解析の活用方法は多くの事業者様が悩まれるポイントです。しかし、アクセス解析は過去の情報を示すものであり、それ自体は将来の売上を直接的に生み出すものではありません。むしろ、今後のアクセスを集める際の参考資料として捉える必要があります。
そこで重要となるのが、アクセス解析に対する発想の転換です。より効果的な活用方法として、以下のような目標設定型のアプローチが考えられます。
例えば、通常の一日あたりのアクセス数が100人程度のショップで、クリスマスイベントを企画するケースを考えてみましょう。イベント期間を12月1日から15日までと設定し、目標アクセス数を一日あたり150人に設定します。この目標達成のために:
- SNS発信の頻度増加
- YouTubeやTikTokの活用
- リスティング広告の展開
といった施策を実施します。このとき、アクセス解析は各施策の効果を測定し、目標達成度を確認するツールとして非常に有効です。
このアプローチの特徴は、「はじめに目標ありき」という考え方です:
- まず、どのようなアクセスを集めたいのか
- どの期間で達成したいのか
- 具体的な数値目標は何か
- それを達成するための施策は何か
これらを事前に明確にした上で、その達成度や各施策の効果を測定するためにアクセス解析を活用します。この方法であれば、例えば「SNSからの流入は好調だったが、リスティング広告の効果は限定的だった」といった具体的な分析が可能になります。
逆に、このような基準や目標設定なしにアクセス解析を見ても、得られるのは単なる結果論の数字に過ぎません。数字の増減は確認できても、その要因や改善のための示唆を得ることは困難です。
つまり、アクセス解析は「過去を振り返るツール」ではなく、「目標達成を確認し、戦略を最適化するためのツール」として活用することで、その真価を発揮します。明確な目標と具体的な施策があってこそ、アクセス解析は意味のある指標となり、将来の戦略立案に活かせる有益な情報源となるのです。
PDCAサイクルでの改善プロセス
PDCAサイクルは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(確認)、Action(改善)の略であり、段階的な改善を積み重ねていくための重要なプロセスです。しかし、地方の中小企業のネットショップにおいて、この改善サイクルを効果的に回せている事業者は驚くほど少ないのが現状です。
その主な理由は、社長や経営幹部、そしてネットショップ担当者が日々の業務に追われ、振り返りの時間を確保できないことにあります。皆が相当忙しく働いているため、改善の必要性は理解していても、具体的なアクションに移せないのです。
しかし、だからこそ、この振り返りの時間が極めて重要な意味を持ちます。具体的には、毎月3時間を必ず確保し、検証と改善の時間として設定することを強く推奨します。この「時間を確保する」という一見単純な決断が、実は非常に重要な意味を持っているのです。
なぜなら、時間さえ確保できれば、そこでの検討は必ず何らかの進展を生み出すからです。会議の進め方には様々な手法があり、その方法論については各社の状況に応じて選択すればよいでしょう。重要なのは、この時間を確実に確保するという意思決定です。
この「振り返りの時間を確保する」という決断ができていないがゆえに、多くのネットショップが毎年同じ失敗を繰り返し、発展的な未来を描けずにいます。この現実は、非常に残念なことですが、同時に改善の余地が大きいということでもあります。
PDCAサイクルは、単なる業務改善のツールではありません。それは、ネットショップの持続的な成長を支える重要な基盤となるものです。たった月3時間の投資が、年間を通じて大きな違いを生み出す可能性があることを、ぜひ認識していただきたいと思います。
この定期的な振り返りと改善のプロセスを確立できるかどうかが、ネットショップの未来を左右する重要な分岐点となるのです。時間の確保は確かに困難かもしれませんが、その投資に見合う価値を必ずもたらしてくれるはずです。
まとめ
まとめ ~売れるネットショップへの道のり~
ここまで、売れないネットショップを売れるネットショップに改善するための10の戦略について詳しく見てきました。これらの戦略は、理論的な知識というよりも、多くの中小企業のネットショップ運営の現場から得られた実践的な知見です。
最も重要なポイントは、お客様を中心に考えるという基本姿勢です。
ペルソナ設定から始まり、商品構成、写真撮影、サイトデザイン、そして接客に至るまで、すべてはお客様の視点に立って考える必要があります。特に地方の中小企業のネットショップにとって、大手との競争で勝ち抜くためには、この顧客中心主義が不可欠です。
また、継続的な改善の重要性も強調しておきたいと思います。SNSの運用やメールマガジンの配信、商品レビューの獲得など、すべての施策において「継続は力なり」という言葉が当てはまります。一時的な成功ではなく、持続可能な成長を目指すことが、真の成功につながります。
忘れてはならないのは、ネットショップ運営は決して楽な道のりではないということです。広告費の投資が必要であり、時には厳しい評価にも直面します。しかし、そのような困難に真摯に向き合い、お客様との信頼関係を築いていくことで、必ず道は開けていきます。
最後に、これらの戦略は、決して「こうすれば必ず成功する」という魔法の公式ではありません。むしろ、これらは基本的な指針であり、各社の状況や特性に合わせて柔軟にアレンジしていく必要があります。大切なのは、自社の強みを活かしながら、お客様にとって真に価値のある存在となることです。
ネットショップの成功は、一朝一夕には実現しません。しかし、この記事で紹介した戦略を一つずつ着実に実行していくことで、必ず「売れるネットショップ」への変革は可能です。皆様のネットショップが、お客様に愛され、持続的に成長していくことを心より願っています。
良くある質問と回答
質問「ネットショッピングのモールへの出店で売上は増えますか?」
回答「楽天市場、アマゾン、Yahoo!ショッピングなどのネットショッピングモールに出店することで、新しい顧客層を獲得することは十分に可能です。
しかし、計画なく出店するだけでは、売上の増加は期待できず、かえって時間と費用がかかることが多いでしょう。
成功の鍵は、出店に際してどのような広告戦略を立てるか、どの商品を売り出すかを入念に計画し、事前にシミュレーションを行うことです。
多くのネットショップ経営者からの相談を受ける中で、私はこの点を強調しています。
計画的にアプローチを行わない限り、効果的な結果を期待することは難しいのです。」
著者および相談窓口について
ハンズバリュー株式会社
代表取締役 島田慶資
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