「ホームページは24時間働く営業マンだ」。この言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。しかし実際のところ、御社のホームページは営業マンとして機能していますか?
私は経営コンサルタントとして300件超の中小企業を支援してきました。その中で、ホームページから問い合わせが月に1件も来ないという企業を何十社も見てきました。この記事では、なぜ中小企業のホームページが「24時間対応の営業マン」になれないのか、そしてどうすれば本当の意味で営業マンにできるのかを、当社の実績データとともにお伝えします。
この記事の結論
いまの公式ホームページの役割は、単に検索から集客することではありません。訪問したお客様の不安を受け止め、問い合わせに転換する「接客の場」として機能させることが重要です。
「24時間働く営業マン」は20年前の話?
2000年頃、インターネットが普及し始めた時代に「ホームページを作れば24時間働く営業マンになる」という話が広まりました。実際、当時いち早くホームページを持った企業には先行者利益がありました。業界内で情報発信している企業が少なかったため、ホームページを持っているだけで問い合わせが来たのです。
しかし、あれから20年以上が経った現在はどうでしょうか。
多くの検索キーワードで大手が上位を占めている
今や、どの企業もホームページを持っています。差別化が極めて難しい状況です。
しかも多くの検索キーワードで、広告宣伝費やSEO対策の予算をしっかり持っている大手企業の公式サイト、まとめサイト、仲介サイト、エージェントサイトが上位を占めています。地方のキーワードであっても同様です。「山形 旅館 有名」「福島 製造業 求人」と検索しても、表示されるのはじゃらん、楽天トラベル、求人サイトばかりではないでしょうか。
一般の中小企業のホームページでは、検索順位が上がってこない時代になっているのです。
SNSや動画も入ってきて混乱
検索対策だけでなく、Instagram、YouTube、TikTokといったSNSや動画マーケティングも入ってきています。「SEOもやらなきゃ、SNSもやらなきゃ、動画もやらなきゃ」と、一体何から手をつければいいのかわからない状況になっている中小企業は少なくありません。
それでも公式ホームページが主役である理由
「じゃあホームページはもう意味がないのか?」と思われるかもしれません。答えは明確にノーです。
中小企業の情報発信において、公式ホームページは今も主役です。
SNSや動画は「入口」、ホームページは「転換の場」
現在のホームページの役割は、20年前とは変わっています。整理するとこうなります。
お客様をホームページに呼び込む「入口」
呼び込んだお客様を問い合わせに「転換」する場所
つまり、ホームページの役割は「集客」から「コンバージョン(問い合わせへの転換)」に重心が移っているのです。
公式ホームページは「必ず見られる」
考えてみてください。採用を例に取ります。
就職を希望している大学生、高校生、その親御さんたちが、SNSだけを見てその中小企業に採用を申し込んでくると思いますか?
ほぼあり得ません。必ず公式ホームページは見られます。
なぜなら、SNSだけではわからないからです。その企業が公式に出している情報、つまり会社の理念、サービスの詳細、実績、社員の声。これらは公式ホームページでしか確認できません。
採用だけではありません。製品の問い合わせ、サービスの見積依頼、提携の相談。どんな場面でも、お客様は最終的に公式ホームページを見て判断します。
コンバージョンを生むコンテンツの正体
では、ホームページを24時間対応の営業マンにするために何が必要か。それは「コンバージョンを生むコンテンツ」を持つことです。
採用ホームページの場合: 先輩社員インタビュー
採用で問い合わせを増やしたいなら、入社2年から3年目の先輩社員のインタビューが絶対に必要です。
就職希望者にとって、2年から3年後の先輩社員は「自分の2年後3年後の姿」と重なります。どのようにして成長できるのか、どんなサポートがあるのかがわかれば、「この会社で働きたい」という気持ちが芽生えます。
問い合わせ獲得ホームページの場合: 顧客導入事例
資料請求やお問い合わせを増やしたいなら、顧客の導入事例が絶対に必要です。
- 顧客事例ページのクリック率は、一般的な検索キーワードのページの約4倍から5倍
- 滞在時間も非常に長い
特に、税理士、公認会計士、弁護士、司法書士、士業の方々やコンサルティング会社のように何を売っているかわかりにくい「形のないサービス」を提供している企業ほど、この顧客事例が重要になってきます。
お客様の声をインタビュー形式でまとめた顧客事例は、他のどんなコンテンツよりも「この会社に頼んで大丈夫だ」という信頼を築きます。
良いコンテンツがあっても、問い合わせの仕組みがなければ届かない
ただし、ここで正直にお伝えしなければならないことがあります。
顧客事例や先輩インタビューを掲載するだけでは、コンバージョンには届きません。
これらのコンテンツは、お客様の気持ちを引き上げるためのものです。「この会社、良さそうだな」と思ってもらうところまでは到達できます。しかし、そこから実際に「問い合わせをする」という行動にはつながりにくいのです。
足りないのは「問い合わせのしやすさ」
お客様が問い合わせをしない理由は何でしょうか。
「この会社で自分の悩みや課題が本当に解決できるのか?」
この疑問が解消されないまま、お問い合わせフォームを前にして手が止まるのです。お客様にとって大切なのは希望が持てるかどうかです。「相談したら何か良い方向に進みそうだ」という希望が持てなければ、問い合わせボタンを押すことはありません。
お問い合わせフォームは「お名前」「メールアドレス」「お問い合わせ内容」を記入する無機質な画面です。自分の悩みを整理して文章にするのは負担が大きく、そもそも「何を書けばいいのかわからない」というお客様も多い。
つまり、24時間対応の営業マンに必要なのは、良いコンテンツだけではなく、お客様の悩みをその場で受け止めて、問い合わせにつなげる仕組みなのです。
接客AIクラウドで実現する「本当の24時間対応」
当社では、この課題を解決するために「接客AIクラウド」という仕組みを構築しました。ホームページを本当の意味で24時間対応の営業マンにするための3つのサービスを統合した仕組みです。
つなぐAIチャット — お客様を接客し、問い合わせにつなげる
ホームページにAIチャットボットを設置し、お客様を「接客」します。お客様がチャットで悩みを入力すると、AIが会話を通じて課題を確認し、「当社で解決できるかもしれません。担当者から連絡させましょうか?」と問い合わせにつなげます。
つなぐAIライター — ホームページを常に最新の状態に保つ
「ブログを更新する時間がない」「お知らせ欄が半年前のまま」。中小企業のホームページで最もよく見る問題です。つなぐAIライターは、30文字程度のメモを入力するだけで、御社のことを知り尽くした学習済みのAIがブログ記事やお知らせを執筆します。
つなぐインサイト — 改善の根拠をわかりやすく提供
週次と月次でアクセス分析をわかりやすい形でレポートとして提供します。専門用語を排し、「先週と比べてどうだったか」「どのページが見られているか」「お客様はどこから来ているか」が一目でわかるようになっています。
お問い合わせフォームの前で手が止まるお客様でも、チャットなら気軽に悩みを打ち明けることができます。24時間、追加の人件費なしで、お客様の悩みを聞いて問い合わせにつなげる。これが「24時間対応の営業マン」の核心部分です。
常にホームページが最新の状態を維持していること。これは「この会社は活きている」とお客様に感じてもらうための最低条件です。
コンテンツを改善した結果、アクセスがどう変わったのか。そのアクセスをAIチャットによってどれだけ問い合わせにつなげられたのか。改善のサイクルを回すための情報基盤です。
3つが連携して初めて「24時間対応」が実現する
この3つは独立したツールではなく、連携して初めて機能します。
- AIライターでコンテンツを更新する
- お客様が訪問する
- AIチャットが接客し問い合わせにつなげる
- インサイトで結果を確認する
- 次の改善につなげる
当社は経営コンサルティング会社ですが、この仕組みを自社に導入し、AIチャット経由での問い合わせを実際に獲得しています。ホームページの改善を提案する側が、自ら使って成果を出している仕組みです。
まとめ
「ホームページは24時間働く営業マン」。この言葉は20年前から変わっていません。変わったのは、その実現方法です。
- 検索で上位を取ることだけが正解ではない時代になった
- 公式ホームページの役割は「集客」から「コンバージョンへの転換」に移っている
- コンバージョンには良いコンテンツ(顧客事例やインタビュー)が必要
- しかし良いコンテンツがあっても、問い合わせの仕組みがなければ届かない
- AIチャット、AIライター、アクセス分析の統合で、本当の24時間対応が実現する
ホームページからの問い合わせを増やしたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
著者プロフィール
島田慶資(しまだ けいすけ)
ハンズバリュー株式会社 代表取締役/経営コンサルタント
温泉旅館を中心に300件超の中小企業を支援。ニッキンオンラインにて連載中。
福島県よろず支援拠点サポーター。中小企業家同友会リーダー。