AIに聞いたらインスタが出てこない|旅館の社長が試した話と、公式ホームページに書くべきこと

お知らせ

「AIに聞いてみたら、インスタの投稿は拾ってくれないんだな」

2026年8月の初め、山形県内の温泉旅館で、社長とラーメンの話をしていました。海外のお客様に向けて、この旅館と周辺のラーメン屋を英語の記事で紹介できないか、という相談です。

その流れで、社長がこう言いました。

「AIを試しに使ってみたら、インスタとかFacebookの投稿って、あんまり拾ってくれないんだな。ブログは拾うんだな」

社長は続けます。「この辺のラーメンのことを調べてみると、うちのホームページのブログの、けっこう古い情報を参考にしている。インスタの新しい情報は見てくれない」

僕は、社長が自分の手でこれを確かめたことに、まず驚きました。

多くの経営者は「AIは何でも知っている」と思って止まります。この社長は、自分の旅館をAIに聞き、返ってきた答えの出どころを見て、AIが読んでいる場所と読んでいない場所があることに気づいた。ここまで自分でたどり着く人は、ほとんどいません。

AIが読んでいるのは、公開されている場所だけです

なぜインスタの投稿は出てこなくて、古いブログは出てくるのか。その場で社長にお話ししたことを、そのまま書きます。

Googleの検索は、AIが使えます。ページが公開されていれば、AIはそれを読みに行けます。

一方で、InstagramやFacebookは、そこに溜まっている投稿を自分たちの情報資産だと分かっています。外のAIに自由に読ませて、それだけで用が足りるようにはしていない。Metaは、その情報で商売をしているからです。「AIには渡さない」という戦略だと思ってください。

だから、AIに旅の相談をした人がいても、インスタとFacebookにしか載せていない情報は、答えに入ってきません。社長の言葉を借りれば「インスタとかFacebookにしか載せてないとダメなんだな」ということになります。

そして、AIが読める場所に置いてあった情報が、数年前に書いたブログだけだった。だからAIは、それを読んで答えを作った。古い情報が選ばれたのではなく、読める場所にはそれしか無かったのです。

これから、お客様は「10件の検索結果」ではなく「1つの答え」を読みます

ここが本題です。

僕がDeep North Japanという英語の媒体を自分で作り始めたのは、生成AIが「こういう旅行がしたい」と言えば答えを返す時代が、もう始まっているからです。この答えの元になるのは、あくまでWeb上に公開されている情報です。ですから、公式ホームページに何を書いているかが、これまでよりずっと重要になる。SNSでは、この対策にならない。

仮に今、同じ地域の同じ業種の競合が、自社のホームページに「今やっている仕事」を毎月1本ずつ書いていて、御社はインスタにしか書いていなかったとしたら、どうなるでしょうか。

AIに「この辺りで〇〇を頼むならどこか」と聞いた人の答えに、競合は入り、御社は入らない。断られたわけではありません。最初から候補に入っていないだけです。しかも、そのことに自分では気づけません。相談が来ないだけだからです。

「ホームページは作り込まないといけないんでしょう」という声に

社長にも言われました。「もう少しブログっていいものなのかな」。そのあとに、たいてい出てくるのが「でも、しっかり作り込まないといけないんでしょう」という心配です。

違います。ものすごく作り込む必要はありません。書いたことがWeb上に載っていれば、それでいい。WordPressくらいのもので十分です。

言い方を変えます。ホームページ制作という仕事は、今はもう死にかけている業界だと僕は思っています。生成AIでデザインもコーディングもできる。飲食店や美容室なら、ホームページを持たなくてもいい、という人が実際に出てきています。それは自然なことです。

けれども、法人相手の商売や、旅館のように「調べてから決める」お客様が相手の商売では、ホームページは問い合わせの最終到達点として残ります。見た目の立派さではなく、そこに何が書いてあるかで残る。作り込むより、書く。順番はこちらです。

「AI対応」として今できることは、2つです

7月に、福島県の金属加工の会社で、社長から「AI対応って、具体的にやり方はあるんですか」と聞かれました。そのときお答えしたことを書きます。

一つ目

ホームページの裏側に「AIが読み込んでもいい」という1行を入れておくことです。ホームページには、検索ロボットに「ここは読んでいい」「ここは読むな」と伝える仕組み(robots.txtという小さなファイル)があります。AIの読み取りロボットにも、ここで許可を出せます。これを入れておくと、AIがそのホームページを読み込んで、答えの中で紹介してくれる可能性が上がります。

ただし正直に言うと、今は過渡期です。ChatGPT、Gemini、Claudeと、AIを作っている会社がそれぞれ「こうしたらホームページを読み込みます」というルールを独自に作っている。どれが残るかは分かりません。日本の検索はGoogleがほぼ独占していますが、そこに至るまでには、かつて3つも4つも検索サービスがあって、軒並み消えていきました。AIも今、その途中にいます。だから「今できるとすれば」という言い方になります。

二つ目

さっきの旅館の社長が気づいたことそのものです。AIが読める場所に、今の自社のことを書く。インスタに1,000本の投稿があるなら、その中から月に1本を選んで、ホームページ側にも同じ話を置く。写真はそのまま使えます。インスタでは短くしか書けなかった説明を、ホームページでは思う存分書ける。1年で12本、AIが読める場所に「今の御社」が並びます。

一つ目は10分で終わります。二つ目は、月に1回の作業です。

宿題を一つ

今夜、生成AIに、御社の会社名を伏せて聞いてみてください。「この地域で〇〇を頼むなら、どこがいいか」。

御社は出てきますか。出てきたとして、書いてある内容は今の御社ですか。それとも、何年か前に作ったままの会社案内の御社ですか。

答えを見て、落ち着かない気持ちになった方は、その気持ちのまま、ホームページの一番新しい記事の日付を見てください。その日付が、AIが知っている御社の「今」です。

よく聞かれること

robots.txt には、実際に何を書くのですか

ホームページの一番上の階層に置く robots.txt に、読み取りロボットの名前と「読んでいい」を書きます。たとえば ChatGPT のロボットは GPTBot、Claude のロボットは ClaudeBot という名前です。

User-agent: GPTBot
Allow: /

User-agent: ClaudeBot
Allow: /

正確に言うと、何も書かなければ読める状態です。それでも書いておく理由は2つあります。一つは、セキュリティ目的のプラグインやサーバーの設定が、知らないうちにこれらのロボットを止めていることがあるからです。もう一つは、書いてあれば「読んでいい」という意思がはっきりするからです。今のホームページの robots.txt を開いて、Disallow の行に AI のロボット名が入っていないかを先に確かめてください。

llms.txt というものも聞きました。入れたほうがいいですか

llms.txt は、ホームページの要約を AI 向けに1枚のテキストで置いておこう、という2024年に出てきた約束事です。置くこと自体は10分で終わり、害はありません。ただし2026年9月の時点で、主要な AI の会社が「これを読みます」と公言しているわけではありません。効果を期待して入れるものではなく、「置いておいて損はない」ものだと僕は理解しています。robots.txt と、月1本の書き写しのほうが先です。

Instagram の投稿は、AI にまったく使われないのですか

正確には「外の AI からは読めない」です。ChatGPT や Gemini のような外の AI は、Instagram の中を自由に読みに行けません。一方で、Instagram を運営している Meta 自身の AI は、公開されている投稿を使うことがあります。つまり、Instagram に書いたことは Meta の中には残っても、お客様が普段使っている AI の答えには出てきにくい。旅館の社長が見たのは、この状態です。

自分でやる方へ、任せたい方へ

自分でやる方は、この記事の順番のとおりで大丈夫です。robots.txtの1行と、月1本の書き写し。

「月1本でも、書く時間がない」という方のために、当社は接客AIクラウドを用意しています。

今はLINEの窓口(つなぐAIアシスタント)に話しかけるだけで、ホームページのアクセスを聞いたり、書くネタを受け取ったり、記事を投稿したりできるところまで来ています。ホームページを開かずに、ホームページを育てる形です。制作部のお客様には、LINEでのご案内から始めています。

僕はハンズバリュー株式会社の島田慶資といいます。ITコーディネータとして、山形・福島の中小企業と温泉旅館のホームページ活用を支援しています。この記事は、2026年7月と8月に実際にあった2つの会話をもとに書きました。

(2026年9月時点の情報です。AI各社の仕様は変わります。変わったら、この記事に追記します)

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