【経営戦略】スペック勝負をやめたら売れた話

神原キサコの制作カフェ

いつもつなぐホームページをご利用いただき、誠にありがとうございます。

つなぐホームページのWEBデザイナー、神原キサコです。

今週もよろしくお願いします!

先週末、勝瀬ヒデコと津名久ハナコに霞城公園へ連れ出されました🌸 私は桜を眺めたかったのですが、2人は花より団子で、敷物を広げた瞬間からお弁当に夢中。結局、桜をちゃんと見ていたのは私だけでした😂

さて、しばらくお休みをいただいておりました制作カフェ、本日から再開です。引き続きよろしくお願いいたします。

今回のお話は経営戦略の領域になりますので、同僚の勝瀬ヒデコと一緒にお伺いしてきました。勝瀬は東北大学で経済史を専攻していた元経営コンサルタントで、今は社長秘書をしています。数字と歴史の両方から経営を語れる、とても頼りになる存在です。

今日お伺いしたのは、秋田市で印刷業を営む田中社長様のところ。従業員十数名、地元では長年の信頼がある老舗です。大手ネット印刷が台頭する中で「うちはどう戦えばいいのか」と模索されていて、昨年から変革者の円卓会議のCo-pilot(伴走)プランに参加してくださっています。今回は勝瀬が近隣の別案件で秋田を訪れるついでに、私も一緒にご挨拶に伺うことにしました。

応接室に通していただくと、田中社長様は開口一番、こうおっしゃいました。

田中社長:「神原さん、うちの若手がね、飛び込みで何社も回ってきたんだけど、思った以上に仕事をもらってきたんだよ。本人もびっくりしてたけど、俺もびっくりした。」

神原:「それは素晴らしいですね。田中社長様、なぜ取れたのか、ご自身ではどう見ていますか?」

田中社長:「安くしたから取れたって言えばそうなんだけど、俺はちょっと違う気がしてるんだよ。安いだけで選ばれるなら、ネット印刷に全部持っていかれてるはずだろう。うちに来る理由が値段以外にあるんじゃないかと思ってさ。」

隣で聞いていた勝瀬が、静かにうなずきました。

勝瀬:「田中社長様、その直感は正しいと思います。これ、経営戦略の古典的な論点なんですよ。」

同じ土俵に立った瞬間に、試合が始まる前に負けている

勝瀬はテーブルの上にあった田中社長様の会社案内を手に取りながら、こう整理しました。

勝瀬:「田中社長様の会社は地元密着の印刷会社。大手ネット印刷と同じ評価軸——価格、納期、物量——で比べたら、勝てない。これは当然です。向こうは何年もかけて、その評価軸で勝つための仕組みを最適化してきたんですから。」

勝瀬:「でもここで多くの経営者が犯す間違いは『じゃあ設備を入れ替えて効率を上げよう』と考えてしまうことです。これは相手が何年もかけて最適化したコースを、後から走り始めるのと同じなんです。」

私はこの話を聞いて、こう思いました。

神原:「たとえるなら、マラソンで10km先を走っているランナーに、同じコースで追いつこうとするようなもの。同じコースを走っている限り、差は縮まりませんよね。」

勝瀬:「そうです。だから田中社長様の若手が実はすごいことをやっていた。コースそのものを変えていたんです。」

大手の仕組みには、構造的な「継ぎ目」がある

田中社長様が少し前のめりになりました。

田中社長:「神原さん、思い当たることが一つあってね。仕事をくれた先に共通してたのは、全部『急ぎ』だったんだよ。」

勝瀬の目が光りました。

勝瀬:「それ、非常に重要な発見です。大手の仕組みは効率を最大化するために標準化されています。発注から納品5営業日、最低ロット1,000部、入稿はテンプレート準拠。これは大量処理を安くするための正しい設計です。」

勝瀬:「しかし、ここに構造的な弱点があります。」

勝瀬は指を一本立てて続けました。

勝瀬:「標準化が進めば進むほど、『例外』に対応する余白がなくなるんです。これは経済史でも繰り返し見られるパターンで、効率化の裏側には必ず硬直化が伴います。」

勝瀬:「お客様の現実は標準化されていません。「来週の展示会に間に合わせたいのに、入稿データの形式が合わない。大手に問い合わせたら『テンプレートに合わせて再入稿してください』って返ってきて、それやってたら間に合わない」——こういう場面が、実は日常的に起きているわけです。」

神原:「私も以前、ある旅館のつなぐホームページを保守メンテナンスで訪問した際に、若女将様から「大手の予約サイトに載ってるんだけど、急なキャンセルが出たときに穴を埋めてくれるサービスがないのよ」と聞いたことがあります。まさに同じ構造ですよね。」

神原:「大手の仕組みが効率的であればあるほど、「困っている人」を助ける余白が消える。その余白こそが、中小企業の居場所になる

神原:「田中社長様の若手は、まさにそこに飛び込んだ。「データそのままでいいですよ、こっちで調整します。明後日には届けます」と。」

田中社長様が腕を組みました。

田中社長:「なるほどな。うちの若手が取ってきた仕事って、全部そのパターンだったのか。大手の仕組みの継ぎ目に入り込んでたってことか。」

勝瀬がうなずきます。

勝瀬:「しかもこの『継ぎ目』は、大手が効率を追求すればするほどむしろ広がっていくんです。効率化とは『ルールに合わないものを切り捨てる』ことと表裏一体ですから。」

「助けてくれた人」は、見積もりの土俵に乗らない

田中社長:「でもな、最初は安くして入ったんだよ。いつまでも安いままだと利益出ないだろう。」

勝瀬がコーヒーカップを置いて答えました。

勝瀬:「田中社長様、ここが面白いところなんです。人間の記憶には感情タグというものがつきます。急ぎで困っている瞬間に助けてもらった記憶は、価格の記憶より遥かに長く残る。」

勝瀬:「『やばい、間に合わない!』という焦りの中で差し伸べられた手は、『5%安かった』という数字よりずっと強く刻まれるんです。
すると次に同じ状況が起きたとき、お客様は見積もりを比較する前に電話をかけてくる。「前に助けてくれたあの印刷屋さん」として。」

勝瀬:「そして2回目以降の仕事は、値引きなしでも通るようになる。なぜなら、お客様が買っているのは印刷物という商品ではなく、「困ったときに助けてくれるという関係」だからです。」

神原:「安さって握手みたいなものなんですね。関係を始めるきっかけであって、選ばれ続ける理由は別にある。」

勝瀬:「まさにそう。そして多くの経営者がその握手で止まってしまう。関係を育てる段階に行けていないケースが非常に多いんです。」

田中社長様は少し考え込んでから、こう言いました。

田中社長:「うちの若手、思ったより本質的なことをやってたのかもしれんな。」

ここで勝瀬がもう一段、踏み込みました。

勝瀬:「田中社長様、もう一つ気づいていただきたいのは、最前線の社員が感覚的にやっていることの中に、経営戦略の核がすでに埋まっているということです。若手は『急ぎの仕事を引き受けた』だけかもしれません。でもそれを意図的に繰り返せる仕組みにしたとき、『たまたま取れた何件か』は『戦略的に取り続ける構造』に変わります。」

勝瀬:「例えば、営業リストを作る時に『大手の納期に不満を持っていそうな先』を優先的にリストアップする。急ぎ対応のときの社内フローを整備して、どの社員でも同じ対応ができるようにする。若手の感覚を、組織の動きに翻訳するんです。」

田中社長様が立ち上がりながら言いました。

田中社長「よし。まず、若手に聞いてみるか。あいつがどういう場面で声をかけて、相手がどんな顔をしてたか。そこに答えがあるのかもしれんな。」

大手と同じスペックで競争しようとすると、中小企業は必ず消耗します。

しかし、大手の仕組みが対応しきれない「継ぎ目」は、必ずどこかにあります。

そして、その継ぎ目を見つけられるのは、お客様の「困った」に直接触れている現場の社員であることが多いのです。

皆さまの会社でも、社員さんが「なんとなくうまくいった」と言っている仕事がありませんか?

その「なんとなく」の中に、スペック勝負とは全く違う戦い方の種が、きっと眠っているはずですよ。

ご参考くださいませ(^_^)

当メールマガジンでは、今後もホームページ活用方法について、具体的な打ち手や成功事例を提供して参ります。

あなたのホームページのアクセス数、問い合わせ数を増やすための参考にしてくださいね。

それでは、今週も一緒に頑張りましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Check

「つなぐホームページ」では最新の成功事例やネットマーケティング手法について、メールマガジン『神原キサコの制作カフェ』で配信しております。メールマガジンの登録をお願いします。

ライター紹介
Picture of 神原キサコ
神原キサコ

ハンズバリュー株式会社のメインデザイナーです。ホームページデザイン業務を中心に活動しています。
新しい情報を調べて皆さんにたくさんお伝えできればと思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトは reCAPTCHA によって保護されており、Google のプライバシーポリシー および 利用規約 に適用されます。

reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。