
みなさん、こんにちは。
経済産業省推進資格のITコーディネータ(認定番号0104242013C)の島田慶資です。
WEBサイトを訪れたユーザーと接点をつくる「お問い合わせフォーム」は、どのような規模のビジネスでも、マーケティング上、もっとも重要な要素の1つといえます。そして、そのフォームを設置することができるプラグインの1つに、Contact Form7があります。
このツールはWordPressの中でも人気のあるものの1つで、既に世界中で500万件以上のWEBサイトに導入されています。そこで、Contact Form7の基本機能や導入手順、活用メリット、主な特徴など幅広く解説します。これからフォームを導入したいとお考えなら、早速お読みください。
目次
Contact Form7の概要
Contact Form7は、WordPressで使える人気の無料プラグインで、世界中で500万件以上のWEBサイトに導入されています。主な機能は、お問い合わせフォームを簡単に作れることです。フォームはシンプルでカスタマイズも可能なので、使いやすさに定評があります。
最初の設定は少し分かりにくいと感じるかもしれませんが、フォームの作成やメール通知の設定など、慣れれば直感的に操作できます。また、reCAPTCHAやAkismetと連携させることで、スパム対策などが可能なのも魅力といえます。
関連記事:ホームページの作り方を解説!ツールごとの比較などお伝えします
Contact Form7を利用するメリット
お問い合わせフォームを導入したいけれど、できるだけコストを抑えつつ高機能なものを使いたいとお考えなら、Contact Form7が有料候補の1つです。ここでは、Contact Form7を使うことでえられる具体的なメリットをわかりやすく解説します。
無料で使える機能が豊富
導入するメリットの1つは、無料でもある程度、お問い合わせフォームに機能を追加できる点です。多くのフォーム系プラグインは、基本機能は無料でも、便利な機能を使うには有料プランに移行しなければならない事が多いです。
しかし、Contact Form7は無料で使えるアドオンや拡張機能が豊富にそろっており、追加費用をかけずに自社の目的に合わせて強化できます。この点は、予算に限りのあるWordPress初心者や、スモールビジネスを営むサイトオーナーにとって、大きな魅力といえます。
信頼性が高い
WordPressで、もっとも人気のあるお問い合わせフォーム用プラグインは、Contact Form7です。事実、500万件以上のインストールがあり、その数は他のフォーム系プラグインを大きく上回っています。
また、このプラグインは、2006年に日本人開発者・Takayuki Miyoshi氏によって公開されて以来、10年以上にわたって使われ続けているという信頼性もあります。また、このプラグインは無料でありながらも、定期的にアップデートがおこなわれており、こういった実績が多くのユーザーからの支持につながっています。
カスタマイズできる
大きな魅力の1つとして、高いカスタマイズ性を挙げることができます。Contact Form7は、WordPressサイト上でさまざまなタイプのお問い合わせフォームを作成できるように設計されており、シンプルさと柔軟性を兼ね備えています。
フォームには、テキストやメールアドレス、URL、電話番号、日付、ドロップダウンメニュー、チェックボックス、ラジオボタンなど、14種類以上の入力項目(フィールド)を自由に組み合わせることができます。
これらの項目は、ショートコードやシンプルなマークアップを使って設定できるため、基本的なHTMLの知識があれば自由度の高いフォームが作れます。例えば、電話番号の入力欄を追加したり、特定の項目を必須にしたりすることも簡単です。
また、他のカスタマイズ方法として、アドオンやプラグインも挙げられます。追加のアドオンを使えば、見た目のデザインをカスタム調整したり、「Contact Form7 Skins」などのプラグインでドラッグ&ドロップの編集をおこなったりすることもできます。このように、無料で使えるにもかかわらず、多機能で拡張性が高い点は他のフォーム系プラグインを圧倒しています。
セキュリティが高い
セキュリティ機能も魅力です。Contact Form7は強力なスパム対策が標準で備わっています。例えば、Googleが提供しているスパム対策ツール「reCAPTCHA」を使えば、ユーザが「私はロボットではありません」とチェックを入れる必要がなく、スムーズな操作のままスパムをブロックできます。
一方、Akismetと連携すれば、送信内容をデータベースと照合し、不審なメールを受信したら自動でブロックしてくれるといった機能も実装できます。その他、セキュリティを強化する方法として、Honeypot機能(隠しフィールドでボットを検出する方法)やクイズ機能(人間かどうかを確認する質問)などが用意されています。
テーマとの互換性が良い
WordPressテーマとContact Form 7は高い互換性があります。無料・有料を問わずContact Form7は、多くのテーマと問題なく動作するよう設計されており、たとえWordPressのテーマを変更しても、作成したフォームの機能はそのまま使えます。
このように、Contact Form 7は、テーマに縛られることなくフォームを活用できます。ただし、フォームの見た目はテーマのスタイルに影響を受けることがあるため、見た目を調整したい場合は、CSSを追加してカスタマイズする必要があります。
関連記事:WordPressでホームページを作る方法!手順や費用など解説
Contact Form7の導入方法
Contact Form7をWordPressに導入する方法はとてもシンプルです。まず、WordPressの管理画面にログインし、左側のメニューから「プラグイン」→「新規追加」と進みます。検索バーに「Contact Form7」と入力すると、プラグインが表示されるので、「今すぐインストール」をクリックし、その後「有効化」ボタンを押すと導入完了です。通常のプラグインとまったく同じ方法です。
有効化が完了すると、管理画面のメニューに「お問い合わせ」という項目が追加されます。そこから設定画面にアクセスできます。インストール直後には、あらかじめ「お問い合わせフォーム1」という基本的なフォームが作成されているため、それを調整するだけで、すぐに設置できます。フォームが完成したら、自動生成されるショートコードがあるので、それを本文などにコピーして、貼り付けるようにしてください。
Contact Form7の主な機能
フォームを作成できるだけでなく、Contact Form7は多様な機能を備えています。そこで、ファイルのアップロードやショートコードの埋め込み、決済サービスとの連携、送信後のメッセージ編集など、WEBサイト運営に役立つ主要な機能を詳しく解説します。
ファイルアップロード機能
便利な機能の1つに、ファイルアップロード機能があります。これを使えば、ユーザーがフォームを通じて画像やPDFなどのファイルを送信できます。
ファイルアップロードは、テキストやメールアドレスなどの基本フィールドと同じように、標準で利用できる項目の1つです。この機能を追加すると、ユーザーがアップロードしたファイルは、問い合わせ内容と一緒にメールに添付されて、WEBサイトの運営者宛に送られます。
また、「CF7 Drop Uploader」というアドオンを使えば、ドラッグ&ドロップによる直感的なファイルアップロードも可能になり、より便利なユーザー体験を提供することもできます。
ショートコードの埋め込み
作成したフォームを簡単にWEBサイトに埋め込めるショートコードの仕組みも用意されています。フォームを作成すると、自動的にそのフォーム専用のショートコードが生成されます。このコードをコピーして、WordPressの投稿や固定ページ、ウィジェットなどに貼り付ければ、フォームを表示できます。
ショートコードがあれば、WEBサイトの運営者は、HTMLやCSSなどの専門的な知識がなくても、好きな場所にフォームを配置できる点が大きなメリットです。また、WEBサイトに複数のフォームを設定したい場合も、ショートコードが大いに役立つはずです。
PayPalやStripeとの連携
WordPressで、ECサイトなどを運用している場合、重宝する機能として、PayPalやStripeなどのオンライン決済サービスとの連携があります。「PayPal & Stripe Add-on」と呼ばれるアドオンを使うことで、この機能を利用できます。
このアドオンを導入すれば、ユーザーがフォームを送信すると、自動的にPayPalやStripeの決済ページへリダイレクトされ、そこで安全に支払い手続きをおこなうことができます。
この仕組みの大きなメリットは、WEBサイト運営者がユーザーのクレジットカード情報などを直接、扱う必要がないという点です。つまり、セキュリティリスクを最小限に抑えながら、簡単に支払いを受け付けられます。手軽に決済機能を導入したい運営者にとって、非常に便利な機能といえます。
送信後のメッセージ編集
フォーム送信後に表示されるメッセージを自由にカスタマイズできる機能があります。この機能により、たとえば送信が正常に完了したときのメッセージや、入力に不備があった場合のエラーメッセージ、送信失敗時の通知など、さまざまな状況に応じた表示をユーザーに見せることができます。
これらのメッセージは初期状態でも定型文が用意されていますが、内容を自由に編集できるため、自社のブランドイメージに合わせで文章をカスタマイズしてください。
Contact Form7の代替プラグイン
WEBサイトの目的によっては、Contact Form7以外のツールの方が適していることがあります。そこで、「WPForms」やCRMと連携できる「HubSpot Forms」、高度なフォーム作成が可能な「Formidable Forms」など、代替可能なプラグインをいくつか紹介します。自社の目的に応じて、適切なツールを選択してください。
WPForms
代替プラグインの1つは「WPForms」です。WPFormsは、初心者でも簡単に使える一方で、非常に高機能なプラグインとしても知られており、初心者からベテランユーザーまで幅広く支持されています。
このプラグインは、WordPress関連メディア「WPBeginner」と同じチームによって開発され、直感的なドラッグ&ドロップで作成できます。無料版である「WPForms Lite」でも、基本的な入力フィールド、スパム防止のためのreCAPTCHA、メール通知の設定、サンキューページの表示など、必要な機能が一通りそろっており、ライトユーザーなら「WPForms Lite」で十分といえます。
有料版の「WPForms Pro」にアップグレードすれば、ユーザーの入力内容に応じて表示内容を切り替える条件分岐機能、ファイルアップロード、デジタル署名、2,000種類以上のテンプレート、StripeやPayPalなどとの決済連携、会話型フォーム、アンケート・投票機能など、ビジネス用途に対応した機能が使えるようになります。
HubSpot Forms
「HubSpot Forms」は、フォーム作成だけでなく、ライブチャット、アナリティクス、CRM(顧客管理)などを一体化したプラグインです。最大の魅力は、HubSpotの強力なCRMや営業支援ツールとスムーズに連携できる点にあります。
フォームを通じて集めたユーザー情報は、HubSpotのCRMと連携でき、訪問者の行動履歴を追跡したり、連絡先を細かセグメント化することが可能です。マーケターにとっては、営業効率を大きく向上させるプラグインといえます。
HubSpot Formsは、無料プランでも、基本的なCRM機能、フォーム、ライブチャット、アクセス解析が利用できます。ただし、HubSpotのロゴを非表示にしたい場合や、高度な自動返信メール、複数の自動化機能を使いたい場合は、有料プランへのアップグレードが必要です。
Formidable Forms
「Formidable Forms」は、WordPressで高度なフォーム作成プラグインです。WPFormsやHubSpot Forms、Contact Form 7などと比較して、より複雑なフォームや機能を必要とする上級ユーザー向けです。
具体的には、クイズやアンケート、支払いフォーム、カスタムユーザー登録フォーム、プロフィール編集フォームなど、複雑なシステムを構築したい場合に有効です。ユニークな機能としては、「Formidable Views」と呼ばれるものがあり、ユーザーが送信したデータを表示・整形・フィルタリングするといったことが可能です。これを応用すれば、ディレクトリ一覧や求人情報、イベントカレンダーなどをフォームだけで構築できます。
あくまで上級者向けに設計されているため、他のフオーム系プラグインほど、操作性が良くないという意見もありますが、豊富な機能を求める人にとっては非常に有益なツールです。
Ninja Forms
「Ninja Forms」は、柔軟性と拡張性の高さが特徴のプラグインです。WordPress公式から無料でインストールでき、ドラッグ&ドロップによる直感的な操作で、簡単にフォームを作成できます。Ninja Formsは、幅広いタイプのフォームを作成できるのが特徴です。シンプルなお問い合わせフォームから、計算機能付きのフォーム、複数ページにまたがるフォーム、条件付き表示のフォームまで、幅広いニーズに対応できます。
また、アドオンも充実しており、CRMや決済サービスなど、さまざまな外部ツールと連携することができます。コーディングの知識がなくても、自由度の高いフォームを作成できるため、機能性と使いやすさのバランスがとれたツールとして評価されています。
まとめ
Contact Form7は、シンプルなフォームを無料で導入できるだけでなく、スパム対策やカスタマイズ性にも優れています。初心者から上級者まで幅広く活用されている理由は、その使いやすさと豊富な拡張性にあるといえます。また、WPFormsやHubSpot Forms、Formidable Formsといった代替プラグインもあるため、自社の目的に応じて使い分けてください。フォームは、顧客との接点をつくる重要なツールですので、今回の記事を参考にフォームに関する知識を深めてください。