みなさん、こんにちは。
経済産業省推進資格のITコーディネータ(認定番号0104242013C)の島田慶資です。
旅館がオンラインでの集客力を強化するには、自社ホームページの活用がポイントです。特に近年では、宿泊予約サイトへの依存度が高まり、収益が圧迫されている旅館も増えています。
こうした状況の中で、旅館ならではの魅力を最大限に発信し、予約へとつなげていくには、どのようにホームページを制作すればよいのでしょうか。ここでは、旅館がホームページを制作する際のメリットから、必要なコンテンツや制作手順までを詳しく解説します。
目次
旅館がホームページを制作するメリット
宿泊予約サイトに頼るだけでは、旅館の魅力を十分に伝えることはできません。自社ホームページを持つことで、旅館の個性や他店と違う魅力をユーザーに直接、丁寧に伝えることが可能になります。そこで、旅館のホームページを制作することでえられる具体的なメリットを整理してお伝えします
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直接予約が可能になる
ホームページを制作する最大のメリットの1つは、直接予約が可能になることです。多くの旅行者は、最終的な予約をする際に旅館のホームページを訪れる傾向があります。そのため、旅行のホームページで直接予約を受け付けることができれば、代理店に支払う手数料を削減でき、より高い利益率を確保できます。
また、旅館のホームページでは、他では見られない独自のプロモーションや限定パッケージを提供するなどして、コンバージョン率を高めることも可能です。このように、直接予約が可能なホームページがあれば強力な営業ツールとなり、収益を大きく伸ばせます。
ブランドが構築できる
ブランド構築できる点も、ホームページ制作のメリットです。専用のホームページでは、宿泊予約サイトなどの他社プラットフォームに頼ることなく、個性を表現できます。例えば、旅館のストーリーや世界観を伝えたり、独自の特典を訴求することができます。
さらに、画像・動画などの視覚情報を交え、旅館の雰囲気やユニークな特徴などを伝えることも可能です。このように、専用ホームページがあれば、ユーザーブランドイメージを伝え、信頼を築くのに役立ちます。
リーチ拡大
リーチ（見込み顧客ヘ到達できる範囲）拡大も、ホームページを制作するメリットの1つです。ホームページなら、物理的な制約を受けず、世界中のユーザーに旅館の存在を知ってもらえます。
かつては口コミや紙のマーケティング資料が主な情報伝達手段で、リーチできる範囲が限定的でしたが、デジタル化が進んだ現代では、ホーページを制作することで物理的な距離に関係なく旅館のことを知ってもらえます。
また、単に館内情報だけを発信するのではなく、観光地やイベントを伝えることで、観光情報を探している人にも旅館の存在を知ってもらえます。このように地域に限定されない幅広い客層を獲得し、従来よりも大幅にリーチできる範囲を広げることができます。
旅館ホームページで必要なコンテンツ
旅館の魅力を正確に伝え、予約につなげるには、ホームページに掲載すべきコンテンツを厳選する必要があります。具体的には、観光情報や高品質な写真、予約システム、レビューなど、訪問者の不安を解消し「ここに泊まりたい」と思わせる要素を加えます。では具体的に、旅館ホームページに必要なコンテンツを整理してお伝えします。
旅館の詳細情報
ユーザーがホテルに信頼をもち、最終的に予約へとつながるには詳細情報が必須です。詳細情報とは、ホテルの名称や所在地、電話番号などの連絡先といった基本情報のことです。これらの情報を、ホームページのあらゆる場所で明記するようにしてください。
また、「当館のご案内」や「この旅館について（About Us）」といったページでは、ブランドストーリーや個性、提供するサービスなどについて詳しく伝えます。ユーザーの多くは、ホームページのデザインだけでなく、提供されている情報に基づいて予約をするかどうかを決定するので、テキストでの説明を丁寧におこなってください。
観光情報
ホームページには、観光情報を含めるようにしてください。旅館を単なる宿泊施設としてではなく、その地域の観光拠点として位置づけるうえで重要です。観光情報があることで、ユーザーは旅館が提供するのは宿泊場所だけでなく、地域全体の魅力を提供してくれる場所なのだと認識してくれます。
具体的には、周辺の歴史的建造物や隠れた名所といった観光スポット情報を提供します。また、おすすめのレストランや体験できるアクティビティ、地元のイベント情報なども有益です。
画像や動画などの視覚情報
画像や動画も、旅館のホームページにとって重要なコンテンツです。なぜなら、言葉だけでは伝えきれない旅館の雰囲気、ユニークな個性、充実したアメニティなどの魅力を視覚的に訴求できるからです。
また、画像や動画があれば、ユーザーのホームページ滞在時間がのび、最終的に予約へと結びつく可能性も高まります。ただし、無料素材集は避け、実際に宿泊した際の体験と異なる印象を与えないよう、本物の現場写真を掲載することが大切です。余裕があれば、360度画像などの活用も検討してください。ユーザーは、その場にいるかのような感覚を味わうことができるからです。
予約システム
ホームページには、予約システムを実装してください。ただし、どんなシステムでも良いわけではなく、できる限りスムーズで直感的に操作できるものが必要です。
また、予約システムは、単に予約を受け付けるフォームだけでなく、部屋タイプごとの詳細な説明、キャンセルポリシー、よくある質問（FAQ）などを配置し、ユーザーが迷うことなく手続きがおこなえるようにしてください。予約プロセスが複雑だと途中で離脱する可能性が高まるため、2回から3回程度のクリックで予約完了できるのが理想的です。
限定オファー
限定オファーとは、旅館が他のWEBサイトでは手に入らない特別なパッケージや割引を提供するものです。例えば、「公式サイト限定割引」や「特別アメニティ付きプラン」などを目立つように表示します。こうすることで、ユーザーは「ここで予約するのが一番お得だ」と感じ、コンバージョンにつながりやすくなります。
ホームページの各ページで期間限定のポップアップやバナーでこれらのオファーを表示するようにします。また、「残りわずか」といった希少性や緊急性を伝えるメッセージを加えることで、予約行動を促すようにしてください。こういった限定オファーは、ユーザーに直接、旅館のWEBサイトで予約するメリットを感じてもらえるため、収益向上に役立ちます。
レビュー
レビューは、ユーザーが旅館を信頼し、最終的な予約を決めるのに重要なコンテンツです。多くのユーザーはホテルを予約する前に、必ずといっていいほどレビューを読みます。特に、トリップアドバイザーなどのような第三者プラットフォームからのリアルタイムなフィードを読み込むことで、その信頼性も高まります。
ホームページや予約ページにポジティブな体験談を目立つように配置したり、受賞歴やメディア掲載情報なども併記してください。こうすることで旅館が良質なサービスを提供しているという強力な裏付けとなります。
旅館のホームページ制作手順
旅館の魅力を最大限に伝え、直接予約を獲得できる良質なホームページを制作するには、計画が大切です。なんとなく作るだけでは、いくら時間があっても成果につながりません。そこで、旅館のホームページを制作するための具体的な手順を初心者にもわかりやすく解説します。
目的とターゲットの明確化
最初のステップは、目的とターゲットを明確化してください。ホームページを単なる情報掲示板ではなく、旅館にとって強力な営業ツールに変える必要があるためです。
例えば、海外の旅行客をターゲットにするなら、それに合わせたデザインやコンテンツを決めることができます。また、ホームページで何をしたいかが明確であれば、どういう機能を持たせれば良いか分かります。このように、目的とターゲットを決定することで、ホームページ制作の方向性が定まります。
掲載するコンテンツを決める
目的とターゲットを決めたら、ホテルの特徴や強み、観光情報など、掲載するコンテンツを決めます。実際に掲載するコンテンツをこの段階でWordやCanvaなどを利用してラフ案を制作してください。
ただし、単に旅館の情報を掲載するだけでなく、個性や他店との違い、提供するサービスなどが具体的に伝わるよう工夫が必要です。ユーザーが旅館に滞在することをイメージできるよう、プロが撮影した高品質な写真や動画なども使用してください。その他、周辺の観光スポットやおすすめのレストラン、地元イベント、アクティビティなど、地域に関する情報を提供すれば、リーチを広げることも可能です。
プラットフォームの選択
掲載するコンテンツが決まったら、ホームページを制作するプラットフォームを選択します。主な選択肢としては、WixなどのWEBサイトビルダーと、WordPressのようなCMSの2タイプが挙げられます。
WEBサイトビルダーは、初心者でも簡単に扱える点が魅力です。プログラミングの知識がなくても、ドラッグ＆ドロップでパーツを配置できたり、旅館業界に特化したテンプレートを活用して、すぐに本格的なホームページを立ち上げることができます。メリットとしては、費用が抑えられることと使いやすさにあります。ただ、カスタマイズの自由度が限られたり、拡張性において制約があります。
一方、CMSを利用してホームページをつくることも可能です。CMSの代表例としては、WordPressがあります。ほぼ完全にゼロからホームページを構築でき、自由度が高いです。デザインや機能性、そして旅館のブランドイメージとの整合性を持たせられるようカスタマイズできます。旅館の独自性や魅力を最大限に引き出したいなら、CMSでのホームページ制作がおすすめです。しかし、やや専門的なスキルが必要なため、外注すれば費用が高くなりがちです。どちらのプラットフォームを選ぶかは、スキルや予算、そして長期的な目標に合わせて選択してください。
WEBサイトのデザイン
プラットフォームにコンテンツをアップしたら、ホームページのデザインをおこないます。デザインは、ユーザーに旅館の第一印象を与える「顔」の役目を果たします。デザインテンプレートから旅館のイメージにあったものを選び、必要に応じて、プロにカスタマイズを依頼してください。
また、客室やアメニティ、そしてホテルの全体的な雰囲気を魅力的に伝えるために、プロが撮影した高品質な写真や動画を掲載することも大切です。
分析ツールの導入
ホームページが完成したら、分析ツールを導入してください。これは、ホームページを公開したあともコンバージョン率を向上させるために必要です。分析ツールを導入することで、ユーザー行動を詳細に知ることができ、どのページがよく見られているのか、どのくらいの時間滞在しているのかといったデータを確認できます。
具体的なツールとしては、Google AnalyticsやSearchConsoleなどが挙げられます。これらのツールを使って、定期的にデータを確認し、コンテンツの配置や予約プロセスの流れ、デザインなど、さまざまな要素を最適化してください。
関連記事：見やすいホームページをつくる！デザインと構成の基本を解説
旅館ホームページを制作する際の注意点
旅館の魅力を伝えるためにホームページを作っても、注意点を押さえていなければ逆効果になることもあります。そこで、旅館がホームページを制作する際に見落としがちな点をわかりやすく解説します。
リアルな独自の画像・動画
旅館のホームページを制作する際は、不自然なストック画像や低解像度の写真は避け、旅館の様子がリアルに伝わる独自画像や動画を掲載するようにしてください。ただし、高品質な画像はファイルサイズが大きくなりがちで、WEBサイトの読み込み速度を遅くする可能性があります。読み込み速度が遅いホームページはユーザーの離脱を招き、検索エンジンのランキングにも悪影響を与えるため、画像の最適化をおこない、ユーザビリティを悪化させないよう注意してください。
多言語対応
ホームページは日本語だけでなく、多言語対応するようにしてください。英語や中国語、韓国語、フランス語、スペイン語などに対応させ、ユーザーが言語の壁を感じることなく情報を確認できるようにします。客室の詳細、アメニティ、予約に関するポリシー、周辺地域の情報など、必要な情報はすべて多言語で掲載し、海外からの旅行客に対応します。
まとめ
旅館のホームページは、単なる情報発信の場ではなく「予約を生む営業ツール」ともいえる重要な存在です。直接予約による収益向上はもちろん、ブランドの確立や顧客との信頼関係の構築にも役立ちます。ユーザーの目線に立ってコンテンツやデザインを設計し、分析ツールを導入しながら継続的に改善してください。こうすることで、競合との差別化が図られ、より多くのユーザーに選ばれる旅館となっていきます。
